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ヨットの事を考える評議会


by Takatsuki_K
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そのココロは、 "自力"なり

写真は、先のロイヤルランカウイレガッタでのワンショット。エスメラルダの植松オーナー(左)と、Jelikのフランク・ポンオーナー(右)。
そのココロは、 \"自力\"なり_f0171353_10535015.jpg

後ろに写っているのがライケル/ピューの76ft〈Jelik3〉。
Jelikとは中国語で書くと「自力」。よく見ると後ろのステアリングペデスタルに書いてありますね。

これは、「ヨットも自力でやる」という意味なんだそうで、もちろんオーナーヘルム。
かつては、イギリス人、オーストラリア人のプロセーラーを大勢乗せていたようですが、ある日突然全員クビにしたらしい。ヤイのヤイの言われたくない、後は自分でやりたい、ということのようです。

で、今はクルーも全員中国人。あ、いや、香港の方なので香港人といったらいいか。このあたり、中華人民共和国ができる以前から多くの人達が移民しており、この人達を中国人と呼んでいいものか。英語なら"チャイニーズ"だから日本語にすれば志那人か。漢字の志那はまずい? なら「シナ人」? 
実際、マレーシア語では「チナ」。「テ・チナ」で中国茶。中国人は「オラン・チナ」。
やっぱ、「シナ人」でいいのか? めんどくさいからやっぱ「チャイニーズ」でいいか。

あ、話は横道にそれました。
ポンオーナーは、マレーシア生まれのチャイニーズ・マレーシアンであるティファニー・クー(初代マレーシア・マッチレースチャンピオン)とジェラミー・クー(現在のマレーシア・チャンピオン)の兄妹も香港に呼びつけチームに入れており、ようするにアジア人だけでやりたいということですか。

まあ、今では、国籍とか人種とかは複雑で、「何人(なに人?)」と聞いても、
「イギリスのパスポートを持っているけど、アフリカ生まれでイギリスで暮らしたことはない」なんて人がゴロゴロしているし、パスポートを2つも3つも持って使い分けている人もいるし……というのが、今の世界の状況でもあるわけで、〈Jelik〉の場合も、どう「自力」なのかはよく分からないのですが。

このオーナーは他にTP52の〈Jelik5〉も所有しているのですが、こちらは中国政府に寄附したんだそうな。中国政府というか中国の体育協会ですか。
で、運営費はポンオーナー持ちで、中国人の若者を乗せて活動しています。こちらは中華人民共和国の人達。中国本省人ということですね。

さすがにいきなりTP52を動かす力はないので、今回はヘルムをティファニー・クーが担当。タクティシャン兼コーチとして、なんとかいうオーストラリアの若者も一人乗艇していました。

なんでそこまで、とも思うのですが、ポンオーナーは中華人民共和国に対し鉄を売る商売をしているんだそうで、この活動が商売にも多いにプラスになるんだろうねぇとの声も聞かれますが、とにかくこのオーナーがヨット好きでヨットを広めていきたいと活動しているのは確か。

同時に、香港マネーがアジアのヨット界を支えているといってもいいのかと。
そして、経済力というのは大きな所得格差によって生じるんじゃなかろうかと思い至る今日この頃でもあります。

さてそれでは、日本の経済はこの先どうなるのか?
なんてことまで考えてしまう、東南アジアのヨッティングシーンであります。
by Takatsuki_K | 2011-01-25 10:59 | ヨットレースを考える