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ヨットの事を考える評議会


by Takatsuki_K
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「JSAFってなんなんでしょうね?」について

ワールドマッチレースツアーの最終戦であるモンスーンカップのマレーシア代表枠を決めるマレーシアン・マッチレーシング選手権(MMRC) で、ジェラミー・クーが優勝。モンスーンカップへの切符を手にしました。

ジェラミー・クーは、こちら、ロイヤル・セランゴール・ヨットクラブのジュニアでOPに乗っていたセーラーなんですが、長じて、香港の大富豪、フランク・ポンのJelikチームに雇われ香港へ。

このフランク・ポンという方については前に書きました。
こちら。

思えば、ワタシ、初めて香港に行ったのが、1986年。25年前ですか。というか香港はその時1回だけなんですけど。
グアムレース後のヨットをそのまま香港まで回航したわけで、ヨットはロイヤル香港ヨットクラブ横の泊地にブイ係留。と、横に舫っているヨットに中国人のオーナーが泊まっていたんですけど、夜はデッキで寝ているんですね。
よく考えたら、オーナーではなくヨットに泊まり込んで見張りをしている使用人だったみたい。

立派なクラブハウスなんですが、ヨットクラブのメンバーは白人ばかりで、従業員はみなチャイニーズ。で、赤ちゃんおぶったオバサンが、小さなテンダーを操ってヨットを移動させたりしているわけ。

ふーむ、これがアジアのヨッティングなのか、と愕然とした記憶があります。アジアの中では日本のヨッティングは圧倒的に進んでいたんですね、この頃は。
で、今ではフランク・ポンのようなオーナーが現れているわけで。なんだかすごいことになっているもよう。


ジェラミー・クーは、昨年このポン・レーシングチームを円満退社しマレーシアに帰ってきており、セールやらなんやらの代理店やってます。好青年なんですが、商売はあまりうまくないかも。ビジネスチャンスはあると思うんだけどなぁ。成功を祈る。便利になるし。

今年、1月のランカウイレガッタでエスメラルダの植松オーナーがチャーターした艇のオーナー、ビンセント・チャンの弁護士事務所が、今はこのジェラミー・クーチームのスポンサーをしています。

そんなわけで、ジェラミーを応援していたんだけど、かなりの接戦を征してのモンスーンカップ出場、オメデトウ。


マレーシアのマッチレースはそれほど盛んではないんですが、政府のバックアップは完璧です。
モンスーンカップもますます熱気を帯びています。

正直いって、マッチレース自体は日本の方が層は広いし活動も活発だと思うんだけど、政府のバックアップが全然違うんだよなぁ。マレーシアのセーラーが羨ましいというか、日本のマッチレーサーが不憫というか。

JSAFにもアメリカズカップ委員会ができたみたいなんで、まずは国内マッチレースに予算をつけるとかスポンサーを世話するとかしてあげればいいのになぁ……と、JYMA(日本マッチレース協会)の孤軍奮闘ぶりを見ていると思うわけでして。

さてそんなタイミングで、「JSAFってなんなんでしょう?」というコメントが、前のページでつきました。
この記事「あっちでもこっちでも、七転八倒」の前半部分はワタシの尿管結石の話なんですけど、後段で触れた「JSAFの外洋推進グループの動きはいったいどうなっているんだろうか」という話題についてのコメントですね。

JSAFとは何か? については、前にかなり詳しく書きました。
ここのブログの形式だと、過去記事を一覧するのが難しいので、改めて並べてみます。

【JSAFとは】 寄付行為

【JSAFとは】 加盟団体

【JSAFとは】 特別加盟団体

【JSAFとは】 外洋加盟団体

【JSAFとは】 ヨットクラブ

【JSAFとは】 加盟? 公認?

【JSAFとは】 外洋帆走競技とは?

【JSAFとは】 それでいいの?

これは2009年2月に書いたもので、その後いろいろ変化はありますが、議論の発端として一読してみてください。


個人的には、かつてのNORCの時代から、役所のようなものだと思っていたんですよね。
経費がかかるのは分かりますから会費は支払いますが、後はうまくやっておいてくださいよ、という感覚だったのです。

ところが、会費を受け取る側は「ボランティアでやってやってる」という態度に感じられ、「電話での問い合わせは迷惑だからやめてくれ」と言わんばかり。
対してこちらとしては、NORCの会費は住民税のようなもんだと思っているわけで、これが役所でこんな対応されたら、頭に来ちゃいますよね。

我々国民は、それぞれの生活があり仕事があってそれだけで手一杯なわけで、たとえば「TPP交渉の席につくべきか否か」なんてことをいちいち国民側で考えろといわれても困る。そういうのは担当の人でうまいことやってくださいよ、と思うわけで。これ、NORCも同じだと思っていたわけです。

これはNORC時代の話で、今のJSAFは財団法人なんですね。
社団法人と財団法人はどう違うのか、上の、
【JSAFとは】 寄付行為 をご覧下さい。

JSAFになってから会長選挙って無くなりましたよね。これも、社団法人から財団法人になったしるし。
NORC時代はいちいち委任状が送られてきており、委任状が集まらないと幹部の方はぼやいてましたけど。
JSAFの会長は選挙ではなく理事会で決める。理事は評議員会で選出し、その評議員は理事会で選出する、、、と、自己完結と申しますか、会員による選挙は無し。
そもそも「JSAF会員」という言葉は「寄付行為」の中にはでてこないわけで。
と、これはますます役所的な存在なんじゃなかろうかと思うんですよね。良い意味で、役所的な存在でいいんじゃないかと思うんですよね。

いただいたコメント見ると、IRCで行われるレースはJSAFのレースで、IRCを使わないクラブレースやオープンレースと線引きしている方もいらっしゃるようです。
まあ、JSAFの中にIRC委員会があるわけで、こう勘違いするのもしかたが無いかとも思います。

ORCの方は日本ORC協会が管轄しているわけですが、こちらも「日本ORC協会」として「日本セーリング連盟規程」の1に定める「連盟の計測を担当する委員会」の一つとなっているもよう。

このあたり、ヤヤコシイですが、当時かなりゴタゴタしていたのは周知なので、良い落としどころというところなんでしょう。
日本IRC協会があって、日本ORC協会と共に特別加盟団体としてJSAFの元に組織されるのが、一番スッキリしそうですけど。


と、話は横にそれてしまいましたが、良く良く考えてみると、いろいろな問題は、日本のヨットレーシングが衰退してしまったということではなく、進化したが故の問題なんじゃなかろうかとも思えるわけです。

ジャパンカップにしても、参加艇のレベルが上がって、ハンディキャップレースでの選手権に満足できなくなったが故の衰退ともいえません? 

トップクラスのレベルが向上しているのは確かだと思うし、じゃあトップクラスだけが進化してしまったのかというと、オープンヨットレースも結構な人気のようです。
クラブレースもかつて無い盛り上がりのようだし。

上記【JSAFとは】を書いた頃は、JSAFの特別加盟団体となっているヨットクラブは3つか4つしか無かったんじゃなかったっけ。それが今では16に増えてます。

ヨットクラブの活動が活発になってきているが故に、外洋加盟団体との不自然な差異といいますか、加盟団体と特別加盟団体に分ける意味がよく分からなくなってきているともいえるわけで。

さてその中で、外洋艇推進グループはどういう方向で進んだらいいのか。どこに問題があって、何を目指せばいいのか。

動きはあります。
「キールボート強化委員会」の存在もなんだか楽しみだし。

情報発信と意見集約がまず必要なのかなぁ。
by Takatsuki_K | 2011-10-11 15:01 | ヨットクラブを考える