ジャパンカップにフォーマットはあるのか
2008年 05月 28日
で、両クラスとも船のサイズに規定はありません。
「これで、まともなレースができるのか?」
と書きました。
JSAF東海の方が気を悪くされると困るので書いておきますが、ワタシが言いたいのは
「日本の外洋レースの頂点に立つJapanCupには、共通の競技フォーマットが必要なのではないか?」という事なのです。
過去のJapanCupの要項から、参加資格の部分をひろってまとめてみました。
2007 西宮 IMS GPH510.0 以上635.0 以下
2006 三浦 IMS GPH630以下
2005 東海 IMS サイズ規定無し
2004 西宮 IMS GPH520.0~620.0
2003 江ノ島 IMS 資料見つからず
ORC-C 資料見つからず
2002 西宮 IMS GPH520.0~630.0
2001 浦安 IMS GPH520.0~650.0
ORC-C GPH 540.0~680.0
GPHというのは、数字が大きいほど遅い≒小さいという事です。
数字だけではピンと来ないかもしれませんが、
Farr31やFirst34.7でGPH620位
SEAM31だと630位
……とこの辺りが昨年度、西宮での下限ということになるでしょうか。
その下だと、
Yamaha31s、PLATU25、Swing31が660~665位
Yamaha30sが680位で、J24で740位となっています。
大きい方は、
旧スレッド(Farr47)が、520位
B&C49が昨年までの数値で517.3となっており、これはジャパンカップの上限をふまえて購入したと聞いています。
N/M68になるとGPHは490位で、関西のJapanCupには出られないということになります。が、今年の東海ならOK。
前に書いた新<スレッド>は、IRCなのですが、ORC-Cを取得したら、GPHは490より小さくなるでしょうから、2007年の西宮ルールでは出場できない事になろうか、という事です。
時代と共にレースフォーマットも変遷していく、というなら分かりますが、このように開催地域によってバラバラな基準の下に参加艇が集められるわけです。
外洋ヨットなどというものは、発注してから手に入れるまで時間がかかります。毎年毎年レースフォーマットが変わってしまったのでは、レース準備ができません。
さて、今年からはIRCクラスも採用される事になりました。
IMSに比べるとずっと手軽に証書を得る事ができるので、参加の間口はぐっと広がったわけです。
そこにもってきて、参加艇の下限はありません。
まあ、小型艇では回航が大変になりますが、24~25ftクラスだと陸送が楽なので逆にこのクラスの参加が増える可能性もあるわけです。J24もトラック輸送あればこその、全日本選手権ですから。活発に活動しているJ24フリートの連中がIRCを取得して20隻ほど参加してきたら、JapanCupの様相はがらっと変わります。
これは悪いことでは無いですよね。
ちなみに西宮で行われる場合は、オフショアレースは無し。で、安全検査もカテゴリー4となっています。
その他の地域では一応オーバーナイトのオフショアは含まれるので、カテゴリーは3。
オーバーナイトありだと、J24でどうよ? って話になるわけですが、昔はクオータートンでロングの島周りとかやっていたワケですから。
J24で鳥羽レースや八丈島レースに出たという話も伝説に残っておりまして……。
レースをとりまく状況はどんどん変わってきています。
IRCクラスで、サイズの上限下限無し、という今年のフォーマットによって、JapanCupの様相が大きく変わるかもしれません。
うまくコントロールできれば、良い方に変わるかもしれないわけで、しかし、深く考えずになんとなくレースを行っていると、主催者がコントロールできないような事態になってしまう危険もあるのです。
なにより、参加者にとって、フォーマットがころころ変わってしまったのでは、「今年は出られるけど来年は出られない」なんて事にもなるわけで、モチベーションなんてあったもんじゃない、、、ワケです。