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ヨットの事を考える評議会


by Takatsuki_K
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ボックスルールとは その4

グランプリレースは着順勝負のボックスルールで……とはいっても、そうそう簡単にはいかないわけで。

それは何でか。

ボックス枠の中で自由設計ですから、艇の性能は様々です。

例えば、TP52クラス。
ワタシが乗っていたのは第3世代と呼ばれるデザインでした。
そもそも、TP52はその名の通りトランスパックレース用に開発されたクラスでしたが、その後、レースの場がインショアに変わっていきました。
50ftサイズの手頃なグランプリクラスが無かったという事もあるのでしょうが、クラスルールが長距離の外洋レースにはちょっとそぐわないという事もあったのかもしれません。

という事で、インショアのブイ周りレースが主体となっていきました。

ダウンウインドがメインとなるトランスパックレースとインショアのブイ周りでは適したデザインは変わってきますから、TP52にも第2世代のデザインが登場し、さらに第3世代も完成。
となると、第1世代のデザイン艇では勝負にならないという状況になっていきました。
それなりに改造したりしているのですが、いかんともしがたい状況になっていきます。

地中海で大人気となった現在では第?世代になっているのか分かりませんが、第3世代のボートはもう過去の船になっているようです。あの頃はあんなに速かったのに……。

他人より速い船を所有する。というのは、レースヨットオーナーの夢でもあり、それが実現できる可能性があるのがグランプリの世界なのです。
「自分の船だけが速い」という夢のような状況を得ることができる、ということは、「自分の船だけが遅い」という悲しい事態になる可能性もあるわけで……。

新艇なら必ず速いというわけでもなく。「外れくじ」もある訳で……。
さらには、レースコンディションによって、いちいちオプティマイズしなくてはならないという事でもありまして……。

そうした競争を楽しみたいという人もいるわけで、だからこそこうしたクラスがあるわけですが、たいそうお金がかかる世界です。

となると、同じ予算でキャンペーンを行うには、船のサイズを小さくしなければならなくなります。
しかし、日本のオーナーは予算内でなるべく大きな船が欲しいと思っている方が多いようで、となると、こうした層のオーナーにはこの手のグランプリは楽しめないし好まれない。

と、いうことで、「日本じゃ無理」と思うわけです。
by Takatsuki_K | 2008-06-15 12:42 | ヨットレースを考える