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ヨットの事を考える評議会


by Takatsuki_K
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その8 93年 なんでギクシャクか?(前編)

92年のコルムジャパンカップ。
この頃の、主催者と参加者の間のギクシャクはどうして起きていたのか?

16年も前の話で、オマケにまだNORCの時代な訳だから今更な話ではあるし、どこかに問題を起こしている中心人物がいるというなら解決もしようが、別に誰が悪いという訳でもないと思うので、こりゃなかなか難しい話なのです。

この後もギクシャクは続き、1998年には、JYAとNORCが組織統合に関する基本合意書を承認し、翌99年4月1日にはJSAFが発足するわけだけれど、92年に起きたグアムレースでの遭難事故と、その後の損害賠償裁判なんてのもあり、この間の5~6年は、NORC自体がかなり混乱していたのかもしれない。

その混乱の中で、セーラーは協会の事を、協会はセーラーの事を、お互いに理解し合えていなかったんだろうと思う。

いやまあ、協会はセーラーの事を理解するべきだし、さらに協会はもっともっと情報を公開して会員の理解を求めても良かったのでは無いかとは思う。

そんな乖離感から、会員側からすると当時ジャパンカップへの期待はほとんど無かったのではなかろうか? 隔年開催となって、「93年はジャパンカップ無し」と言われても、別段ガッカリした記憶もない。


ここで、ちょっと92年から94年に至る、日本と世界のヨットレース事情を見ていきたい。
どうもこのころ、日本のセーラーは、「ジャパンカップが無くても困らない」という状況にいたようにも思えるからだ。

92年、アメリカズカップの予選ルイビトンカップが始まり、日本も初参戦。テレビでバッチリ放映されていた。
アメリカズカップは米国アメリカキューブがイルモロ・デ・ベネチアを下して防衛に成功する。
バルセロナ五輪では、女子470クラスで、日本セーリング界に初のメダルをもたらす。
……でもなんだかマスコミの扱いは少なく、不憫であった。

8月にはメリットカップが行われ、国内でもちょっとしたマッチレースブームになる。
メリットカップは見るレースだけれど、参加するマッチレースとしても、鳥羽カップマッチレースなんてのがあった。

海外では、IOR50ftのワールドカップまだまだ続いていて、この年、日本艇チャンポサが初優勝している。

年表的にはバブル終焉のはずだけど、実際にはまだまだバブル景気は続いていたように思う。

ボク個人としては、6月に進水したトリップ36で、米国東海岸のブロックアイランドレースウイークに出場。エスメラルダチームが本格的に活動を始めたのはこの年から。
ブロックアイランドでは結構良い成績だったので、気持ちよく帰国。

夏にはケンウッドカップに取材に行っている。

記事には「世界的な不況だ」と書いてあり、ケンウッドカップの参加艇数もIOR、IMSそれぞれ18隻づつ合わせて36隻。最盛期の半分に減ってしまったが、2トンカップも併催されており、レースそのものは非常に中身の濃いものであった。

特にここで、IMS艇の艇速に、ボクは驚いている。
IOR、IMSの順でスタートするも、IMS艇がIOR艇に追いついてしまうのだ。

これまでのIMS艇のイメージは、速いことは速いけど、上りはやっぱりIOR、という感じだった。
それがこの頃から逆転し、IMSの方が速い──とこれは同じ全長で、あるいは同じ値段で、という意味でだと思うけど、確かにこの時ハワイで、ボクはそう感じたようだ。

自分では、何の因果か、73ftのケッチに乗ってこのレースに出ているワケですが……。

国内ではこの年、エスメチームはJ24の全日本を目指して猛練習に明け暮れていた。練習嫌いのエスメチームなので、この時の猛練習は今でもよーく覚えている。

ボクにとっての始めてのJ24クラス。11月に博多で行われた全日本選手権は45艇を集めかなり面白かった。
エスメラルダは17位に終わる。凡庸なようだけど、これでもものすごく楽しめるのは、ワンデザインだからだと思う。
ちなみに、この年、J24世界選手権の優勝はケン・リード。2位がクリス・ラーソン、3位ジム・ブレディー、4位テリー・ハッチンソン。すげーな、このフリート!!、

この年の秋には、BMW TOKYO CUP 関東外洋ヨット選手権も行われているが、こちらも台風の為「天気は良いのにノーレース」で中途半端な事になってしまっている。

明けて93年。
ジャパンカップはお休みだけれど、ゴールデンウイークには関東支部主催のビックボート選手権が行われた。
個人的には、トリップ36でミドルボート選手権に出場。ミドルボート選手権もこの年からIMSが採用される。

ちょっと長くなったので、この項、続く。
by Takatsuki_K | 2008-10-07 23:23 | ジャパンカップ史