ヨットの事を考える評議会


by Takatsuki_K
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カテゴリ:無線を考える( 10 )

外部の援助

ヨットレース中の「外部の援助」について。レース中に書くとナンなので、沖縄-東海レースが完全に終わった今がチャンスかなと思い、書いてみる。

外部の援助とは何か?
レース中、「漁船をチャーターして水や食料を運んで貰い海上で受け取る」、なんてのがダメなのは、まあ誰でも「そーだ、そーだ」ということになる。

これはセーリング競技規則によってハッキリと定められている。

RRS 規則41 外部の援助
艇は、以下を除き、外部からの援助を受けてはならない。
(a) 病気の、または負傷している乗員に対する援助。
(b) 衝突後、離れる為に相手艇の乗員から受ける援助。
(c) すべての艇が自由に得られる情報形態としての援助。
(b)  同じレースに参加している他艇など、利害のない情報源からの、求めてもいないのに与えられた情報。


たとえば、「灯台の灯りで自艇の位置を知る」というのも、考えようによっては「灯台の灯り」という外部の援助を受けたことになるわけだけれど、上記RRS41(c)で特別に許されている外部の援助ということになる。「GPSの電波を受信して位置を知る」なんてのもこれ。「すべての艇が自由に得られる情報形態」だからオーケーということになる。

ここでは通信(情報伝達形態)そのものについてはなんら記されているわけではない。しかし、通信技術の発達で、この条文だけでは「どーなんだろ?」と思うものも多くなっている。

そこで、RRSにある「付則K 公示ガイド」の18、あるいは、「付則L 帆走指示書ガイド」の27に、推奨される文言が掲載されている。
これは、「帆走指示書にこのように記載しておくといいですよ」という意味だ。

27 無線通信
緊急の場合を除き、艇は、レース中無線送信も、すべての艇が利用できない無線通信の受信もしてはならない。またこの制限は、携帯電話にも適用する。

「ラジオで天気予報を聞くのはいい」わけだが、ラジオの天気予報なんかではろくな情報が得られないうえに放送時間が決まっていて、ヨットの上では全く不十分。携帯電話の177天気予報の方がずっと有益だけれど、帆走指示書にこのように書かれていたら、それはダメということになる。

「気象ファクスを受信して天気図をとる」のは「すべての艇が利用できる無線通信の受信」だからオーケーだけど、インターネットから天気図をとったらどうなのか?
インターネットというのは、こちらから「サーバにあるXXXのファイルが見たい」という情報を送信するわけだから、この条文からすると天気図だろうがなんだろうが、インターネットへの接続は一切不可となる。

ちなみにRRSの2005-2008では、上記「無線送信」の部分が「無線通信」という和訳になっていた。英文は「radio transmissions」なので、たしかに2009-2012の「無線送信」が正しい。
JSAFルール委員会も御苦労されている様子デス。



さて、この部分はあくまでも「帆走指示書ガイド」なわけで、レースによって好きなように書き変えればいい。沖縄-東海レースの帆走指示書では以下のように書かれていた。

19. ロールコール
19.1 「沖縄-東海ヨットレース通信要領」によりロールコールを行う。
19.2 参加艇は、フィニッシュするまで、リタイアした艇は最初の港に入港するまで、ロールコールにより毎回位置情報の報告を確立しなければならない。
19.3 レース本部からの呼び出しに応答できる状態を保たなければならない。
19.4 定時から4時間以内にロールコールを確立できない場合にはペナルティーを課せられる。


20. 無線通信
20.1 レース中に、インターネット、電話、気象FAXなどでの気象情報の収集を認める。
20.1.1 その対象は、無料であること、一般に公開され誰でもがアクセスできること、年間を通じて常時配信していることを満たしたものに限る。上記を満たさない、コース指示、気象情報・予報に関することはいかなる方法でも入手してはならない。
20.1.2 このレースの http://okinawa.toscrace.jp/ とそこから記載されるリンク先(1次のみ)、レース委員会が契約した気象情報サイトの情報はいかなる方法でも入手したりアクセスしても良い。


この文面から察するに、

以下を除いて、艇は、レース中無線送信も、すべての艇が利用できない無線通信の受信もしてはならない。
(a) 緊急の場合
(b) 「沖縄-東海ヨットレース通信要領」で定められたロールコール
(c) 沖縄-東海ヨットレースの公式ホームページとその一次リンク先
(d) 以下の条件を満たす気象情報
  ・無料で、一般公開されている
  ・年間を通じて常時配信している
  ・誰でもがアクセスできる


と、いいたいんじゃなかろうか? と考えられる。
ならば、
今回大活躍した「OC Trackerの航跡を見る」というのは、公式ホームページからの一次リンクなのでオーケー。でも、インターネットでのメイル送受信はもちろん、Twitterのようなサービスも利用は不可、ということになる。ブログの類も、それが年間を通じて気象情報を配信しているものでなければ不可のようだ。

しかし、そのあたり、上記帆走指示書の文面だとちと不明瞭。そこで、スタート前の艇長会議でなんらかの質疑応答があったらしい。
ここんとこ、ハッキリさせるのは重要なので、「イイゾイイゾ」と思ったんだけど、その詳細は分からないし、正式に帆走指示書の変更があったという掲示もされていないのでここではなんともいえない。
ハッキリしたのかどうか不明なので「ヤバイヨヤバイヨ」とも思う。

ここんとこ──つまり、レースを盛り上げるためには、Twitterなどでの情報発信はプラスのツールだと思うんだけど、「外部の援助」というマイナスツール面を考慮していかに明文化するか、これはみんなで知恵を絞らねば。
……と思うわけです。

そこで考えられる今後の指針としては、

1:-----------
レース中もインターネットへの接続は認める
でも、
外部の援助は不可、とする


(問題点)
どこまでが外部の援助にあたるのかを明文化しにくく、本人も意図しないうちに外部の援助を受けてしまう可能性がある。
たとえば、Twitterに書き込みをするということはTwitterの書き込みを読むということでもあるので、そこで、「今夜中に前線が通過するらしい」という書き込みを読めば、それは外部の援助を受けたことになる。

「レース中、機走してはいけない」という基準は単純だから競技者のモラルで厳守できるが、通信で得られる「外部の援助」はかなり曖昧な概念なので判断が難しい。そこで、帆走指示書ガイドでは上記のような文面で通信そのものを規制している。


2:----------
レース中もインターネットへの接続は認める
なおかつ、
インターネットから得る外部の援助は認める


(問題点)
気象解析会社や戦略解析チームと契約して情報を得ることも可能であり、となると、資金のあるチームとそうでないチームでの公平を保てない。

レースのレベルによってはこのあたりが大きな問題になるはず。
ここでの「レベル」とは、ヨットがうまいかヘタかというのとはちょっと異なり、勝利にどこまでこだわる人が参加しているか? という意味の「レベル」で、ラリー・エリソンとかが出ていたら、専用の気象衛星とか打ち上げそうでしょ。

でも、今の日本のヨットレースだったら、「インターネットを駆使して情報を得る」といっても、そうそう大げさな事はできないんじゃなかろうか? とも思うし。
と、その前に、走るヨットの上からインターネット接続するにはどうしたらいいのか? そのコストは? ってのも、あるかも。

どうなんでしょうねぇ。そこんとこ。
議論する余地あるのでは?


以上、今回は問題提起です。
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by Takatsuki_K | 2010-05-11 08:41 | 無線を考える

無線の話……結論

最初に「会議の行方はバカらしい、のか?」で書いたのですが、国際VHFも、
「そんなに規制緩和というなら緩和してやるけど、無線機搭載したら聴取義務があるんだよ。それでも無線機積みたいってワケね? 聴取義務を怠ったら罰金だかんね。」
という事なんですね。

国際VHFなんてちっぽけな問題なのですが、この問題の根底には、年金、医療、教育、外交、金融、地方自治、といった今日本の国が直面しているさまざまな問題と同じ要素があると思うんです。

で、役人と国民の生き残りをかけた戦いでもあるんだろうと思うんですよね。

とはいえ、ワタシは国外に逃げてしまった人間ですから、今さら日本の役人に文句を言える立場では無いですね。


思えば、ワタシの人生は、すべてが逃げだったなぁ。

国内のクルージングではつまらないと思い、ニュージーランドに逃げちゃったし。
国内のヨットレースもつまらないと思い、米国のレースに逃げちゃったし。
日本の社会システムが嫌になって、やっぱり国外に逃げちゃったわけだし。

そんなワタシが、パブリックコメントどころではないですね。
だって、国際VHFなんてどうなろうと、ワタシ自身には関係ない話なんだから。

もう、無線の話はやめにします。
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by Takatsuki_K | 2008-08-15 14:05 | 無線を考える

パブリック・コメント

前の日記、ちょっと書き方が悪かったかな。

この中間報告によると、衝突事故の内訳は、最近5年間で、、
漁船×貨物船       398
プレジャーボート×漁船  251
プレジャーボート同士   346
プレジャーボート×貨物船  47
となっている。

プレジャーボート同士ってのは、割と軽微なケースが多いのではなかろうかと推測すると、衝突は漁船がらみが圧倒的に多い、と思っていいんじゃなかろうか、と考えたわけです。

で、漁船×貨物船の衝突のケースを考えると、相手を視認していたなら、漁船側はわざわざ無線なんかで呼び出さずに、すいすいと直近を横切ってオシマイ、ではなかろうかと思われます。
今回の事故は、避けそこなったというだけの話ではなかろうか、と。
気づいていない相手への注意喚起なら、汽笛を鳴らしたほうが話は早いのではなかろうか、と。

漁船×プレジャーボートのケースでも、互いに視認できていればそうそうぶつかるものでもなく。ここでも無線で呼び出しているようなヒマは無い。

となると、これらのケースでは衝突回避の為の国際VHFの効用ってのは、それほど大きくはないんじゃないかと思うわけです。

ちょっと前にゆうさんがさかんに「タダでも積まない」って言っていたのはこういう意味でもあるのかな。

ヨットのように足が遅い保持船が、斜め後ろから大型船に追いこされるようなケースでは、国際VHFがあればなぁ、という状況もあるかと思われるわけで。

ということで、衝突回避というのがメインテーマだとすると、国際VHFは「あればあった方がいい」という程度ですね。

で、これが無線機が2万円程度で簡単な登録をするだけで搭載できるなら「あった方がいい」ですが、機器の価格が20万円で、従事者免許をとって開局落成検査をして、とかだと、「そんなにしてまでいらない」という事であろう、と。

となると、その価格や従事者免許制度の内容、落成検査や継続検査の内容がどのようなもので、はたしてそれが実情にあっているのか。
普及させる為に規制緩和する、と簡単に結論づけているけれど、じゃあ、いったい今までの規制は普及させない為にあったのか? それでいいのか? 国際VHF以外に、同様の問題があるのではないのか?

ってな、話であろうと思うのです。

だから、
今の試験制度、検査制度の実態とお金の流れを明らかにせよ。
とワタシは声を大にして言いたい。
意見を聞く、という事なので、言っておきます。
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by Takatsuki_K | 2008-08-09 21:04 | 無線を考える
読みました。
『中間取りまとめ(案)』
「海上における船舶のための共通通信システムの在り方及び普及促進に関する検討会」中間取りまとめ(案)
「別紙2」ですね。

まず、
共通通信システムの、主たる目的は船舶の衝突回避等の事故防止にある。
あたりから「そうだったのか?」と思うのですが、
となると、これは一般商船あるいは自衛艦などの大型船と漁船の問題がメインと考えているのかな?

小型船舶といっても漁船とプレジャーボートでは利用状況が著しく異なるわけで、我々の頭の中にあることとちょっと違ってきてしまうのですが、
どうやら中間報告としての基本は、

○国際VHFで
○免許は必要だが規制緩和する


って事みたいですね。

で、ここでしっかり調査研究して発表していただきたいのが、
従事者免許試験、講習は、誰によってどのように行われていて、お金の流れはどうなっているのか。
定期検査は誰によってどのように行われていてお金の流れはどうなっているのか。
日本で販売されている国際VHFは何故値段が高いのか。

この辺りの実態がどこにも書かれていない。検討されなかったという事なのでしょうか。

いかにして規制緩和するかは今後の検討課題だそうですが、これまでどうしてどういう風に規制が行われてきたのかを明らかにしないと、的確な規制緩和にはならないのではないかと思います。

最初の方(23~24ページ)で、
-------------------------------
ア現状の利用状況
プレジャーボート、ヨットなどの小型船は国際VHF 、マリンVHF を利用して海岸局との通信及び必要に応じて船舶間通信を行っていたが、その後携帯電話通信網の充実により、海岸局への連絡等が携帯電話で足りるようになった事と、国際VHF やマリンVHF の船舶局を運用するための資格、煩雑な許可申請手続及び高価な無線機(諸外国の5~10 倍)維持管理費用の高負担が利用者の減少となった。
特にマリンVHF は、外部空中線を有しないハンディータイプのものや空中線電力の制限(5W 以下)等により通信距離が短く利用者の期待していた内容とかけ離れたものであり、減少が顕著である。
現在、小型船で国際VHF 、マリンVHF を開設しているのは通信手段として必要と認識しているからであり、全体としては少数派となっている。これらの反省に基づき世界統一規格の国際VHF を小型船に普及させるためには、免許制度を含めて抜本的な規制緩和が求められている。
---------------------------------

とあるけれど、冒頭の部分、順番が逆ではないかと思う。

------------------------
ア現状の利用状況
プレジャーボート、ヨットなどの小型船は国際VHFやマリンVHFの船舶局を運用するための資格、煩雑な許可申請手続及び高価な無線機(諸外国の5~10 倍)維持管理費用の高負担のせいで利用者が増えず、その後の携帯電話通信網の充実により、海岸局への連絡等が携帯電話で足りるようになった為に、現状では国際VHFやマリンVHFの船舶局は数が少ない。
-------------------------
が正しいと思います。

後段(65頁)でも、
-------------------------------
プレジャーボートやヨットなどは、国際VHF やマリンVHF を利用していたが、昨今の携帯電話通信網の充実により携帯電話の利用が進んでいる。
-------------------------------
とあり、いかにも携帯電話登場前はみんなマリンVHFを使っていたかのような表現はミスリードだと思われます。

国際条約に基づく規制と称して、これまでどんな事が行われてきたか。
このあたりをじっくり検討していただかないと、この先どうするかが決められないのではありますまいか。
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by Takatsuki_K | 2008-08-08 15:32 | 無線を考える

免許と一言でいうけれど

国際VHFに免許が必要な国はどことどこ。日本だけじゃない……と一言でいうけれど、「免許」といってもその内容が大きく異なるので「免許が必要か否か」という単純な話ではない。

複雑怪奇な日本の免許制度。
従事者免許交付の試験基準は、はたして実情に合っているのか。
無線機、アンテナ、電源などヨットの一部が含まれる「無線局」としての免許も必要で、そもそも無線機自体の免許ともいえる技術適合検査だって、他の国でも同様のものはあるのに、なんで日本だけがあんなにも無線機が高価になってしまうのか。

とはいえ、これは何も国際VHFに限った話ではなく、日本の行政の構造的な問題なんですね。
このままでは、将来の日本はどうなってしまうのか。様々な分野で「日本の行政のありかた」が今、問われているわけです。

その大きな課題の中で、国際VHFの免許問題なんて枝葉末節な話で、正直、どうなろうとたいした変化は無いんです。が、ここに日本の行政のおかしな部分が凝縮されているわけで……。


これは、役人だけの問題ではないとも思うんですけどね。

普段は、「規制緩和しろ」と言いながら、いざ何か事故が起きると「野放しにしていた行政の責任を追及」なんて言い出すやからがいて。

というか、やたらに「責任追及」って言ってるのマスコミなんですけどね。
役人が規制をしやすいように、マスコミは「責任追及」しているのかなぁ、……とも思う今日この頃。

おまけに、「悪い奴ら」ばかりが役人になっている訳ではなく、どうも我々はその地位につくと「役人根性」になってしまうようで。これ、人間の本質なのかなぁ。


と、すっかり諦めモードな訳です。
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by Takatsuki_K | 2008-08-02 09:37 | 無線を考える
そういえば、グアムレースが盛んだった頃は、船検やSRにおける無線通信の取り扱いはどうだったのか? 当時すでに回航屋をやっていたのですが、あの頃はそういうの全然意識しないで乗っていたのか、よく覚えていません。

グアムレース後の回航中、小笠原で海上保安庁の取り締まりを受けた事はあります。
その船のオーナーは、かなり上級の免許を持っていたので、ずらっと並んだ無線機は正当に開局はされているのですが、帰りの回航にはオーナーは乗っていない。で、従事者免許が無いのにケシカラン、という事になったわけです。
ケシカランと言われましても……。
で、ヒューズを抜いて封筒に入れ封印。東京に着いたらオーナーがそれを持って保安庁に出頭するように、との事でした。

あの頃は無線なんて使う気もなかったので、ワタシとしては別にそれでかまわないのですが、その後八丈島を通過する際、岩場にいた釣り人に、
「ヨットが波の間に消えた」
として、通報され、遭難騒ぎになっていたそうな。
こちらは何の問題も無く走っていたので、東京に着いて話を聞くまでそんな騒動になっていたとはつゆ知らず。そういえば飛行機がグルグル回っていたなぁ……って程度。

この時も、国際VHFがあれば、保安庁の人も苦労しなくて済んだのかもしれませんけど、無線機使えなくしたの保安庁の人ですから、しょうがないですね。

その後乗った船には国際VHFだけが付いていましたが、誰か免許持っていたのかなぁ? 国際航海だから1海特が必要だと思うんだけど。ワタシが免許とったのはずっと後だし、あの時は誰も免許持っていなかったんじゃなかろうか。そもそも、ちゃんと開局していたのかなぁ? 船検は通っていたわけだから、ちゃんとしていたのか? 不明です。

で、国際VHFでロールコールったって、繋がるわけも無く、我々はフィニッシュ直前まで行方不明状態が続きましたが。

翌年、タカ号の遭難があり、あれも通信設備がもっと整っていれば状況はだいぶ変わっていたのではなかろうか、と、想像します。

少なくとも、VHFのハンディー機があれば、それを持ち出すことができてれば、違ったかもしれません。まだ携帯電話が普及する前ですが、あの頃すでにハンディーVHF機はあったはず。

今では、防水タイプのしっかりしたものが250ドルくらいで売っているようです。100ドルくらいの物を防水パックに入れるという手もあるし。
とりあえず持っておいて損はない、コストパフォーマンスのいい安全備品かと思われます。

日本の船検備品では、「持運び式双方向無線電話装置」がこれにあたるのかな?
定価は……36万5千円か?
国際航海になりますから1海特の従事者免許も必要です。
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by Takatsuki_K | 2008-07-31 08:31 | 無線を考える
安全備品というのはイザという時の為のもので、積むか積まないかは、ハッキリいってしまえばコストパフォーマンスの問題です。

たとえば、沿岸部しか走らない船でも、イーパブを積んでいた方がいいことはいいですよね。でも、利用頻度と価格を天秤にかけて、積むか積まないかを決める事になるわけです。

レーダーリフレクターよりも、レーダートランスポンダの方が、良いことはいいです。が価格差と有効性を測りにかけて、どちらを選ぶが決める訳です。

と、各自の判断に任せておくと懐具合で判断を誤る場合があるので、各オーナーの代わりに、役人がコストパフォーマンスを考えてくれるのが法定備品という事になるわけです。

JCIの法定備品リストを見ると、どうもトンチンカンなものが多いのですが、それはまた置いておいて。
今は国際VHFのお話です。

ここでのポイントは、日本でも国際VHFは禁止されている訳ではない、という事です。
ただ、費用が高くまた免許の取得も簡単ではない事から、コストパフォーマンスの大変悪い安全備品という事になってしまいます。この場合のコストは免許取得のコスト(金額+時間)が含まれます。

対して、低コストで供給され免許の取得も簡単な欧米では、コストパフォーマンスに見合う「とりあえず積んでおいて損はない」装備になっている、という事です。

日本の国際VHFはなぜコストパフォーマンスが悪いのか。
ここが今問題になっているのですが、これは日本政府の構造的な問題なので、いまさら劇的な変化は見込めない、とワタシは思います。
事は国際VHFだけの問題ではないのですから。

ここ何日か、ゆうさんとワタシの議論をお読みください。
役所に行くと、このての理屈っぽいおっさんが大勢いるわけです。
ゆうさんは、ワタシとは実はマブダチなのでなんて事ないのですが、なにしろアチラは最終的な決定権を持っているので、いくら議論したところで、意味無し。これにしつこく噛みつくようなヤカラは、閉め出されて終わりです。

で、「諦めモードの今日この頃」な訳です。
が、諦めずに、明日ももう少し書いてみます。
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by Takatsuki_K | 2008-07-30 09:11 | 無線を考える
鳥羽レースも終わったようで、
さて今日は無線のお話。

「海通促」はその後どうなっているのか。

第1回の検討会が開かれた後、7月23日の第2回会合に向けてワーキンググループの会合が5回開かれた。
最後の会合が7/10に行われたが、冒頭、それを傍聴していたあるヨットのオーナーが追い出されたんだそうな。
7/11付けの東京新聞にも出ていたようだ。

理由は、「秘密会議の存在を自らのホームページに書いたから」なんですと。

秘密会議?

実は、このワーキンググループの下にさらにサブワーキンググループがあって、これが非公開つまり秘密。その内容を自身のHPに書いたという事らしい。

この方は秘密会議に出ていたワケではなく、(秘密ですから出られない)秘密会議の出席者から内容を聞き、それを自分のHPに書いたという事らしい。

とすると、秘密会議の内容をこの方に漏らした人を秘密会議から退席させる、ってのなら分かるけど。秘密じゃない方の会議の傍聴を許されない、って、どういう理屈なんだか。

そもそも、なんで秘密なのか。
秘密じゃない方の会議は議事録がHPで配信(議事要旨)されている……ようだけど実際には、第2回のワーキンググループ会合までで停まっている。
今日(7/27)の時点では肝心の第2回検討会もすでに終わっているはずなのに、未だアップは無し。

なんか知られると都合の悪い事でもあったんですかねぇ。

そもそも「海通促」とはなんだったのか?
安価で操作も簡単な国際VHFが海上での近距離通信にはうってつけだ、なんてのは議論するまでもない事で、プレジャーボートの側が国際VHFの必要性を訴えれば訴えるほど、
「そんなに必要なら、金額や手間の事でガタガタ言うな」
って話になっちゃうワケです。国際VHFを禁止しているのではないんだから。

ここは、
「天下り団体にお金が回るようにするには、1件から搾取する金額を減らしてでも数を増やした方が総額は増えてお得だと思いますぜ。欲張り過ぎはいけやせん。お役人様。へっへっへ」
というような意見なら、通りやすいかと思います。

ようは、
「んじゃ実際、いくらまでなら出せるのよ」
というのを、ユーザーサイドから公聴する会議という事かと。

日本全国、ありとあらゆる業界に網の目のように広がった利権構造の中で、「国際VHFだけは役人の利権を手放しなさい」なんて注文付けたって、通るわけないのです。
この利権構造を元から正すのが正攻法なんだろうけど。そこから利益を得ている人の数はかなり膨らんでいて、すでに手遅れであろう、と、諦めモードの今日この頃。

雑誌でチクチク嫌み書くくらいしかできなくて、ちょっと情けないワタシです。


ちなみに、JSAFからもこの会議には代表を送り込んでいるようです。
意見収集もしています。→こちら。
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by Takatsuki_K | 2008-07-27 12:53 | 無線を考える
無線のお話です。

ワタシがプレジャーボートの無線問題に興味を持って記事を書いていたのは96年~97年頃のお話。
当時のKAZI誌をめくっていただければ、従事者免許試験の体験記やら国際VHF開局記やら、いろいろ書いている。
今読んでも結構面白いので、是非再読されたい(自画自賛でスイマセン)

その際、郵政省(現総務省)には何度も出向いて細かな話をいろいろ聞いていたんだけど、最終的に、
「うーん、でも、16チャンネルで妨害電波とか出さないかぎり(無免許でも)取り締まりはしないですよ」と言われてしまった。

「なんだかバカらしくなった」のは、その時。

駐車違反でもなんでもそうなんだけど、役人というのはとりあえず全部禁止にする。
市民生活がなりたたないほどの規制をかけておいて、個別に免許や認可というメンドクサイ手続きを経た後で許可を与えたり、あるいは個々の役人の裁量で見逃したりして、やっと社会が回るようにする。
免許や認可の際には各省庁やその天下り団体にお金が落ち、役人にたてつくと生活できない。

と、そういう仕組みになっている。


役人が本当に優秀で滅私奉公の気概がある人ばかりなら、「役人の裁量で決める」というシステムでもうまくいくんだろうけど、これがまた問題で……。

記事の内容について、小型船舶検査機構から呼び出しを受けた事もあるんだけれど、出てきた若い役人(運輸省から出向しているという)が、
「自分は何年もアメリカにいたが、インマルサットを搭載しているプレジャーボートは多いが、プレジャーボートに国際VHFなんて積んでいる例は極めて希だ」
、とおっしゃっていた。自信満々に。

うーん、この人、国費で米国に滞在し、いったい何をしていたのか? 米国における小型船舶の実情とかを視察しに行っていたって事なのではないのか? と、したら、いったい何を見ていたのか? そもそも、小型船舶に乗ったことあんのか?

ここでワタシが、
「そんな事はない。おまえバカだろ」
と言ったところで水掛け論であるからして、冷笑を残して帰ってきたけど。

なんかもう、ほんとにバカらしくなっちゃって。


「海通促」の第2回会合が行われたようだ。

衝突回避の為の通信設備という意味では、国際VHFは決定打にはならない。
なぜなら、漁師のオッサンが国際VHFを使って外国の貨物船に英語で話しかけるとは思えないからだ。英語で話しかけられても、答えはしないだろう。
けれど、国際VHFがあれば防げた事故もあるはずだ。、国際VHFなんて元々は安価なものなのだし、あった方がいいに決まっている。

今の問題は、何故国際VHFは規制されているのか? 規制する理由はあるのか? というあたりにあると思う。

役人(あるいは元役人)としては、規制の理由を「混信のおそれ」等としたいところだろうが、実際には
「管轄官庁が自由に使えるお金を確保するため」
だったりするのだろうから、小型船舶だけを規制緩和してしまうと、他のGMDSS摘要船舶との整合性がとれなくなってしまう。
となると、利権構造に穴が空き、小さな穴はやがて大きなダムの決壊を招く。
なんて危機感があるんだろうか。


……などと想像すると、またまたバカらしくなってきてしまうのです。
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by Takatsuki_K | 2008-06-02 11:27 | 無線を考える
今年起きた自衛艦と小型漁船の衝突事故を受けて、無線の問題がクローズアップされているようです。

総務省では、「海上における船舶のための共通通信システムの在り方及び普及促進に関する検討会」という長い名前の検討会が開かたようです。「海通促」とでも略せばいいのでしょうか。

大型船小型船の区別無く、安価で簡単に扱える共通の無線はどうあるべきか……を考える会議だそうです。

となれば、答えは簡単。
国際VHFでいいではないか。
国際VHFをもっと簡単に搭載できるように法改正すればいいだけの話だと思うのですが。適合機種の枠も広げればずっと安価に供給できるわけで。

でも、レジュメを見る限り、どうやら国際VHFはあくまでも大型船の物であるという役所の認識を曲げるのは容易ではないようです。

「海通促」はマリンVHFの搭載義務化を推し進める為の会議になるのかなぁ。
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by Takatsuki_K | 2008-05-11 15:38 | 無線を考える