ヨットの事を考える評議会


by Takatsuki_K
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

<   2008年 11月 ( 9 )   > この月の画像一覧

トーベン・グラエルの<エリクソン4号>が第2レグのフィニッシュ地点、インドのコーチンにフィニッシュしました。
赤道無風帯からスルスルと前に出て一気に独走。航跡を見るとインド沿岸部に近づくあたりで苦労しているようではありますが。

2番手は、一番西側のコースを取っていた、バウワー・ベッキンの<青のテレフォニカ>が一気にまくって現在は……ステルス・プレイって、なんだ? 許されるのか?
とにかく、位置不明。

このままいけば、2番は<青テレ>、3番手が<エリ3号>。
その後は<プーマ><グリーンドラゴン><デルタ・ロイド><黒テレ>がダンゴ状態です。
風はヘロヘロみたいなので、どうなることやら。

コーチンでは、迎えるショアクルーが準備を整えるのに苦労しているようです。
遠征した経験がある方ならご存じでしょうが、ちょっとしたレースでももう借り物競走みたいな事になるわけで、これがVORレベルだとそりゃもう苦労話は尽きないでしょうね。
特に今回のように、これまで大きな外洋ヨットイベントなんてやった事もないような国、街です。
たとえば、通関一つとっても、大変なんじゃないかと思います。

昔、ギリシャで行われたILC40ワールドで、ワタクシ、準備隊として先乗り。
さらに1人、アメリカ人が先に着いていていろいろ手配していたのですが、ワタシが着いたら陸置きしてあるヨットのデッキで、ホームレスのおっさんが布団かぶって寝ている訳です。
「へんな奴がいるぞ」
と報告すると、夜間、物取りに遭わないように雇った私設ガードマンなんだそうな。夜通しデッキの上で寝ながら番をしているというわけ。

変な国に行くと、こういう配慮もしなければならない訳です。

ワタシもインドのビザが無事に降り、10日からコーチンへ行ってきます。
回りの人達からは、いろいろ脅かされていますが。行きますよ。
[PR]
by Takatsuki_K | 2008-11-30 09:47 | ボルボ・オーシャンレース

モンスーンカップ

12月4日から、マレーシアでモンスーンカップが始まります。場所は、クアラト・レンガヌという地方都市。1年間世界を回ったワールドマッチレースツアーの最終戦です。

昨年のモンスーンカップの事は、KAZIに書きましたが、今年は、11月24日からマレーシア予選が、27日からアジア予選が行われています。

アジア予選という事は、日本の選手にも出場のチャンスが与えられたという事ですが、当初8月に行われるとアナウンスされていたアジア予選のスケジュールが突然日程変更。その後も延期延期で、グダグダに。

モンスーンカップ自体も、
「運営資金の問題で今年で最後になるって話だよ」
なんて噂を、ヨットとはまったく関係のないマレー人実業家から耳にするくらいでした。

ヨットとは何の関係も無い人がそんな噂を知っているという事実もなかなか興味深かったのですが、後の新聞報道によると、資金の横領もしくは贈収賄の疑惑で汚職取締り局の調査が入り、今年の開催すらも危ぶまれていたようです。
その後、贈収賄疑惑の嫌疑は晴れ、連邦政府からの運営資金が調達できる見通しが立ち、今年も開催に至ったとの事。

訳知り実業家の話では、モンスーンカップにはこれまで日本円にして100億円かかっているのだそうな。マリーナもモンスーンカップ専用みたいなものですから、その建設費用まで含めれば、たしかにそのくらいかかるのでしょう。
今年は競技艇を新しくしたようで、いろんな疑惑もなんのその。派手なイベントです。

そんなマレーシア側のお国事情で割を食ったのが、現在日本ランキング1位の中村匠選手。
日本の代表としてアジア予選の出場権を持っている彼は、当初の8月開催に向けてやる気満々。チケットの手配まで進めていたのですが、突然のスケジュール変更で、他のイベントと重なってしまったため出場を辞退。しかしその後再びスケジュールが変更され、今回の日程なら出場可能だったのですが、一度辞退してしまったため、日本ヨットマッチレース協会から出場を認めて貰えず、あえなく断念。

なんと残念。日本のトップランカーがアジアの中でどのくらいの力を持っているのか、見たかったのに。

……と、開催日程を含めて、実施要項というのはフェアな競技進行の基本中の基本。
ここをキチッとできないレガッタは、選手権とはいえません。
ジャパンカップは大丈夫かな?

f0171353_1345150.jpg


写真はマレーシア予選を勝ち抜いたPerak Sailing Team。中央がスキッパーのNurul Ain選手。女の子です。
[PR]
by Takatsuki_K | 2008-11-28 13:47 | ヨットレースを考える
いよいよ艇団は赤道無風帯へ突入。
ケープタウンから北上し再び赤道を越えるという、これまでのVOR(あるいはウイットブレッド)には無かったコースに突入しています。

南氷洋で寒いのも辛いでしょうが、赤道直下の無風帯ってのも辛そうです。
赤道無風帯を抜けたら一気にゴールのインド・コーチンへ。
となると、いかにしてこの帯域を抜けるのかが、キーポイントになりそうです。

インド・コーチンの後は、マラッカ海峡を通ってシンガポールですから、これまたこれまでのVORでは考えもつかなかった展開になりそうです。
[PR]
by Takatsuki_K | 2008-11-25 18:15 | ボルボ・オーシャンレース
強風のダウンウインドで水上ジェットコースターのような生活が続いていたフリートは、次なるステージに突入した模様。

現在は、穏やかな風と波の中で、合羽を脱ぎ、傷めた艇のチェックに余念がないようです。

この後、赤道無風帯に突入。すでに先頭の方から艇速が落ちているようですが、それでも10ノット以上のスピードで走っているのですから、VO70クラスはすごいですね。

現在ポジション的にフィニッシュに近いのは、
エリクソン3号
エリクソン4号
グリーンドラゴン
青のテレフォニカ
プーマ
ロシア
黒のテレフォニカ
デルタロイド
の順。

<グリーンドラゴン>は、ワタシ的には正直言って泡沫候補的扱いだったのですが、「オヌシ、なかなかやるな」です。
第1レグでも、大外からのマクリが決まり、トップでゲート通過。第2レグでもブームを壊しているにもかかわらず、戦線離脱せずしっかり上位につけています。

このチーム、アイルランドと中国、2つのホームポートを持つもので、ライケル・ピューのデザイン。中国のマコナギー造船所で建造、とあります。
マコナギーといえば、オーストラリアの造船所ですが、中国に工場作っていたのですね。
[PR]
by Takatsuki_K | 2008-11-23 08:32 | ボルボ・オーシャンレース
東経58度ラインがこのレグでのゲートポイントとなっており、ケープタウンを出てから全艇真東に向かって走っていたわけです。

フィニッシュ地点のコーチンは北にありますから、戦略的になんだかムズカシイ展開になっています。

コーチンまでの距離からいくと現在7位につけている<エリクソン4号>ですが、このままいけばゲートポイントへはトップで到達しそうです。ここで4点ゲット。

艇の構造部材に重大な損傷を受けた<プーマ>は、ゲートポイントのゲットは諦めたもようで、すでに北上を開始。艇速を押さえて走っているといいながら、19.5ノット出ていますから、これ、「爆走」の範疇ですな。
で、未だにコーチンへ残航3262マイルとトップポジションをキープ。。

<エリクソン4号>としては、どうせこの後、赤道無風帯を突っ切らなければならない訳で、そこでいくらでも逆転できるとふんでいるのでしょうか。

へんなゲートポイントの設定により、なかなかムズカシイ選択をしいられているようです。
[PR]
by Takatsuki_K | 2008-11-20 10:56 | ボルボ・オーシャンレース
さあ、VORフリートは、吠える40度を爆走中。
VORはこうでなければ。

ちなみに、吠える40度とは、南半球の南緯40度帯域の事で、陸地に遮られないために偏西風が強く吹くという意味。
実際、現在南西の風がバシバシ吹いているようです。

風が強いというのはレース艇にとっては良い事のはずですが、なんといってもVO70クラスは化け物レーサーですから、艇速20ノットとか出てしまうワケですね。波が無ければいいんだろうけど、波も10mを超えるわけで、こりゃたまらん。

かといってスピード落とせば抜かれてしまうし。
命がけのチキンレースですな。

<グリーンドラゴン>はブームが壊れたようです。
<プーマ>もAセイル(非対称スピン)がバラバラになったもよう。あっという間に直したみたいですが。

<プーマ>には、このレグから、ニュージーランドのロビー・ネイスミスが乗り込んでいます。
彼とは何度も一緒に乗ったのですが、うちのチームではセール修理担当でした。
レース中にセールが壊れると、ロビーが近所のロフトまで行って自分で直す。
翌日もレースがあるわけで、大急ぎでの修理になります。

この間、他のメンバーは食事に。冷たいようですが、それぞれ立場があるもので……。

で、食事の途中で、
「遅れたぜ」
とか言いながら、セール修理を終えたロビーが登場。
なんて事が何度かありました。

ふーむ、<プーマ>でも、艇内でロビーがセールの修理しているのかな? なんて思って記事読んでいたら、どうやらジャスティン・フェリスという人が奮闘しているようですね。人材豊富。

で、セールどころか、ロンジフレーム(船体の縦方向の補強部)にヒビが入ってささくれがいっぱい出ているとか。

大丈夫か?
[PR]
by Takatsuki_K | 2008-11-19 12:22 | ボルボ・オーシャンレース
15日にケープタウン(南アフリカ)をスタートしたVORフリートは一路インドのコーチンへ。

途中、ゲートポイントがあるようで、全艇東に向かって激走中。
……って、通過ポイントのゲートがどこにあるのかハッキリ書いて欲しいなぁ、公式HP。
モーリシャスの東を通過するようになっていて、東経58度ラインがそれらしいんだけど。
細かな文字で書かれた記事を追っていたら頭が痛くなってきた。英語ニガテなんですよ。

帆走指示書がどこかでダウンロードできたと思ったけど、捜しても出てこず。

ま、とにかく大接戦です。
第1レグ、スタート直後にラダートラブルに見舞われ遅れをとってしまったバウワー・ベッケンの<青のテレフォニカ>が、このレグでは好調で、現在ケン・リードの<プーマ>とトップ争いを。また、これまでポイントトップの<エリクソン4号>がやや遅れているように見えますが、このまま東進すればゲートポイントゲットできるのか?

なんだか面白い展開になっています。

12月頭にはインドのコーチン(聞いた事無い)にフィニッシュしそうです。ハイ。
[PR]
by Takatsuki_K | 2008-11-18 18:52 | ボルボ・オーシャンレース
97年。ジャパンカップは初めて相模湾を出て西宮に。なかなか盛大であった。運営もしっかりとしていた。

翌98年は東海で行われる事になったが、参加艇不足の為中止に。
92年から隔年開催だったわけだけれど、ここで初めて「参加艇不足による中止」という情けない事になってしまった。
参加艇不足の理由は、開催決定の遅れにあったのではなかろうか。

そして、99年の葉山。
「異種格闘技にも似たその戦い」と評されたと、ワタシの「ジャパンカップ史」第1話で書いた記事につながるというワケ。

自宅の近くなので歩いて見に行ってみたが、会場となった葉山新港の中には入れて貰えなかった。
おそらく、関係者以外は立ち入り禁止という条件で葉山新港開催になったんだろうと思う。
なんとかゴネれば入れたんだろうが、さっさと諦めてそのまま家に帰ってしまった。だからこの回はまったく見ていない。

記事からすると、17艇出場。ファースト40.7が総合優勝。
クラス毎にスタートは別々で、総合優勝を決めるという形だったようだ。

ここで、プロダクションのクルージング艇であるファースト40.7が優勝した事に筆者の松本氏は戸惑っている。
10年ぶりにジャパンカップを取材したとあるから、おそらく、筆者の頭の中にあるレース艇のイメージはIORボートで、ファースト40.7みたな艇種が優勝しちゃうなんて、グランプリレースでは無い、と感じたのかもしれない。

その後も、40.7の活躍は続く。
2000年のケンウッドカップでも、ワタシが乗ったファー52ft最新艇の<エスメラルダ>はオーストラリアの40.7に総合成績で負けている。まったく別のスタートで、レース中は遠目に見るだけ。こんもりと丸い船体がビーチボールみたいに見えたので、ビーチボールズ
(兄弟で2隻の同型艇に乗っていた)と呼んでいた。

あれから10年。今でも40.7は優勝を争える状態にあるわけで、これって、IOR時代に多くの人が望んでいた姿なんじゃないかとも思う。とはいえ、それが「グランプリ」というステータスを消失させている、とも言える。
難しいものだ。

……とまあ、これはハンディキャップルールによる問題。

ジャパンカップには、ハンディキャップとはまた別の開催地の問題がある、
83年から始まったジャパンカップは、87年以降、三崎、油壺に場所を移してからは問題続きだった。
97年の西宮開催は、「油壺開催がとうとう行き詰まったから」実現したと見てもいい。
97年の西宮でジャパンカップは息を吹き返した。
しかし、次の開催地決定でまたフラフラし始め、結局98年は開催にこぎつける事ができず。99年の葉山でなんとか持ち直した。と、そんな、非常にアブナイ状況にあった。
だから、冒頭の記事でワタシは、
「葉山大会が開かれるに至った経緯を考えると、この時は良くぞ開催にこぎ着けたと評価しても良かったかもしれない」
と書いた。

ハンディキャップルール問題とは別に存在する開催地問題では、何が障害になっていたのか。
泊地の問題なのか、人的問題なのか、金銭的問題なのか。そこをきちんと検証できていたのか。

以降、
2000 西宮
2001 浦安
2002 西宮
2003 江ノ島
2004 西宮
2005 蒲郡
2006 シーボニア
2007 西宮
2008 蒲郡

と、無事毎年開催されてきたものの、ワタシが見る限り、浦安でも江ノ島でも05年の蒲郡でも、参加者と主催者とのギクシャク感はいなめなかった。
「二度とやりたくない」
と言った主催者もいた。
「二度と出ない」
と言った参加者もいた。

いったい何が原因でギクシャクしてしまうのか。参加者、主催者双方で、深く考えないと。無駄に時間と金を浪費するだけになってしまう。

ということで、便所の落書きと言われようが、「ワタシのジャパンカップ史」はまだまだ続く
[PR]
by Takatsuki_K | 2008-11-11 09:09 | ジャパンカップ史

VOR 第1レグ終了

いやー、前回と異なり、すごい接戦になっていますね。

第1レグのアリカンテ(スペイン)~ケープタウン(南アフリカ)を1位フィニッシュした<エリクソン4号>はこれで8ポイントゲット。
アリカンテでのインポートレースで5位の2.5ポイント。第一レグ通過ポイントを7位で通過して3.5ポイント。合計14ポイントで総合でも首位に立ちました。

2番手は、総合13ポイントで<プーマ>。

通過ポイントでトップの4ポイントをゲットした<グリーンドラゴン>が11ポイントで総合3位につけているのがすごい。

また、スタート直後にラダートラブルで修理入港し出遅れたバウワー・ベッキンの<テレフォニカ・ブルー>も、赤道無風帯で見事に追いつき、なんとか5位でフィニッシュ。アリカンテでのインポートレースでトップの4ポイントが利いて合計10ポイント。総合4位につけております。


現在総合トップの<エリクソン4号>は、前回圧倒的なスピードを見せた<ABNアムロ>の流れをくむ、ファン・コーヨンジャンの設計。今回も2ボートキャンペーンを行っており、このクラスのデザインにおいてはかなりのデータが蓄積されていると思われます。

対する<プーマ>はボテイン&カーキークのデザイン。ワンボートキャンペーンゆえ、2ボートテストができず。第一レグを見ていると、「艇速はエリクソンが上?」なんて感じもしますが、
「第1レグで他艇と走り比べたのがワタシらにとっとは貴重なチューニングの場。ポイントは掴んだので、次はもうガンガン行きまっせ」(by ケン・リード:但しすごい意訳)との事。

この後は、11月15日にケープタウンをスタートし、インドの南西部にあるコーチン(Cochin)という港まで、4450マイル。

インド洋を北上するという、過去のウイットブレット&ボルボオーシャンレースには無かったレグとなります。
またしても赤道無風帯を通過か。たまらんですのう。
[PR]
by Takatsuki_K | 2008-11-05 11:08 | ボルボ・オーシャンレース