ヨットの事を考える評議会


by Takatsuki_K
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ムルデカレース

さてラマダンも明け、今日からムルデカレース

メンバーは、
オーナー -------------
日本在住の日本人。
でも、台湾とマレーシアでもビジネスをしているので、仕事にかこつけてちょくちょくマレーシアに来てはヨットで遊んでいる。
ヨットは日本から乗ってきた、デヘラー38。現在はRSYCに係留中。

キャプテン -------------
つっても、元JALのキャプテン。奥様と2人でマレーシアでリタイア生活。
午前中は毎日プールで泳ぐのんびりした生活を送っていたら、通風が治ったという。

オイラ -----------------
一昨日から体調が悪く、ウダウダしてたけど、やっと治った。
風邪かと思ったら、どうやらアレルギーの模様。まだなんだかダルイ。

オイラのカミさん -------
夜走るのは初めてなので、KAZI 8月号「初めての夜航海」を熟読していた。昨日はパーティーで着る服にアイロンをかけていた。

セルビアン -------------
カミさんのヨガ友達で国連勤務のセルビア人、48歳。セルビアの川でヨット経験あり。「セルビアなんていってもワカランでしょ?」というので、「ストイコビッチってセルビア人だよね」って言ったらやけに嬉しそうだった。
おそらく腕力はチーム一。

マシンガン ------------
もう一人誰かクルーが必要だなぁと、カミさんがやはりヨガ仲間のイギリス人(赤十字勤務)に声をかけたところ、ヨットに乗ったことは無いとのこと。うん、イギリス人だからといって、全員ヨットに乗れるわけではないらしい。
と、突如ヨットクラブで声をかけてきたのがこの人。現在木造のS&S 28ft艇をレストアしている、チャイニーズ・マレーシアン。年齢不詳。
良さそうな人なんだけど、マシンガン・トーク炸裂なので長い夜、相手にするのがちと不安。

以上、6名。

フネは上架整備を終え、土曜日に下架したところ。
日曜日にちょっと走って様子を見。スタートは今日の夕方、5時30分。
フィニッシュは明日午前中。

ラマダン開けってことは新月。
ってことは大潮で夜は真っ暗。

で、ここ何日か、夜中に凄いスコールが来るのですが、いっそ全部雨になってしまえば、今夜は雨は無いだろうなどとノンキに考えております。
いや、昨夜は雨降らなかったから、今夜は雨か? アーメン。
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by Takatsuki_K | 2011-08-30 09:53 | 個人的な話
ロスアンゼルスからハワイまで、約2200マイルを貿易風と共に爆走する本格的外洋レースがトランスパシフィック(太平洋横断)ヨットレース。略してトランパック。
第一回は1906年……というと、明治39年かぁ。まさしく、伝統の外洋レースですよねぇ。

公式ホームページは、こちら
このホームページ、なんだか文字が重なって表示されてしまってすごく見にくいんですけど。うちの環境が悪いのか?


さて、2200マイルというと、遅いヨットだと2週間くらいかかるはず。長いです。
その間、艇は海のまっただ中にいるわけで、安全を考えると通信の確保は極めて重要であり、それだけに、通信と外部の援助との関係はどのように折り合いをつけているのか? 気になるところです。

帆走指示書(SI:Sailing instraction)には、ロールコール(定時交信)の方法が詳しく記載されており……、ふーん、E-mailがメインなんですね。これがアメリカンスタイルということか?

今、参加艇の方から教えてもらった情報によると、ロールコールのE-mail化は今回からだそうです。
ロールコールのときに無線機の前で順番待っているのって、かなり苦痛ですよね。
でも、その苦労こそがオフショアレースなのだと、この部分にこだわる人もいるのかもしれないけど。
やっぱり、E-mailなら楽だろうなぁ。

で、帆走指示書には、ロールコールのことしか書いてない。
ここで問題にしている無線通信に関わる外部の援助問題については、レース公示(NOR:Notice of Race)の方に詳しく書いてありました。

そもそも「レース公示」とは、そのイベントの内容を説明した公式文書です。
まずはこの「レース公示」を読み、そのレースに出るか出ないか、いやその前に、自分には参加資格があるのか否か、それを判断するための重要な書面です。

「レース公示」を読んで参加することに決めたら、必要書類を集めて提出しエントリーフィーを支払う。

「帆走指示書」はその後、多くは大会直前に提示されるものです。

たとえば、「レース中、株価のチェックができないなら、ワシゃ出ない」という方だっているかもしれないわけで、通信関連の規定は「帆走指示書」より「レース公示」に書いてある方が親切ですよね。


トランパック2010の「レース公示」では、

14 RADIO COMMUNICATION
とあり、
14.1 では必要な無線機の説明。国際VHFと長距離用にはSSBの無線機か衛星電話を搭載せよ、とある。衛星電話のみの場合は、常時電源を入れておくように、と、これはまあよくある文言ですね。

14.2 で、ロールコールの詳細は帆走指示書に示す、とあり、いよいよ次の14.3で無線通信と外部の援助について詳しく記されています。

14.3 COMMUNICATION RESTRICTIONS
Competitors may only utilize weather information that is routinely available throughout the year to the general public without charge, and whose availability is publicly indexed. For example: Competitors may NOT arrange for routers or meteorologists to provide them with advice, custom data, or compilations of public data during the race, no matter how that information is communicated. Competitors may receive regularly scheduled weather broadcasts or weather fax transmissions (e.g. from NOAA, USCG, WWV, NMC, KVM70, or from the Transpac Communications Vessel). Competitors may receive imagery from satellites (e.g. NOAA, APT satellites). Competitors may use any means to retrieve data from the Internet (e.g. from the web, from ftp sites, from email responders), provided that those data are intended for public use without charge, are routinely available for free throughout the year, and are publicly indexed (e.g. can be found via Google). Prior to their preparatory signal, there is no limitation on private services or any other source of data or consulting, except that a competitor that has started may not provide weather information to another competitor that has started, or to a competitor that has not yet started except through the information provided to or from the Transpac Race Communication Vessel. This amends
RRS 41.

長いっす。
まるまる日本語に訳すのは極めて難しいので、どういう意図なのかを読み解いてみます。

まずは冒頭。
Competitors may only utilize weather information that is ……
とあり、「utilize」は利用する。つまり、「気象情報だけを利用できる」とあります。株価のチェックはダメなもよう。

that is 以下で、気象情報といっても、年間を通じて常時一般に公開されていて、「without charge」なものに限るとあり、ダメな例として、専門の誰かを雇ったり、そのアドバイスやカスタムデータ、あるいは「compilations of public data during the race」ですから、レース中に一般公開されたデータを編集や解析したようなデータ」って感じですか──を挙げています。

「meteorologist」は気象学者。「router」ってどんな人だろう? 気象等を解析してコースを指示する専門職ですかね。
ようするに、以前、間寛平さんが太平洋横断したときに馬場さんから受けた無線通信みたいのはダメってことですね。

許されるのが、通常の天気予報放送、気象ファクス。気象衛星画像の受信。で、これらの具体的な局も列挙されています。

これに続いて、
Competitors may use any means to retrieve data from the Internet
とあります。
ここの「means」は方法。「retrieve」はデータの検索。
つまり、どんな方法でインターネットのデータ検索をしてもいい、とあり、例として、webのアクセス、FTPサイトからのダウンロード、あるいはE-mailもOKとなっています。
続けて、
provided that those data are intended for public
use without charge, are routinely available for free
throughout the year, and are publicly indexed

と、インターネットokといっても、無料で誰でもアクセスできるように意図されているもの。例として、googleで検索できるものとなっていますね。
通信手段よりも、やりとりする内容が問題なんだと言いたいんでしょうね。なるほど。

なんかこれ、最初の方にあった文章と同じだけど、こうしてインターネットアクセス自体は自由ということと並べて書かれると、ここでの「without charge」は通信料金以外の課金であると読み解けますね。


続けて、準備信号の前は何をしてもいい、と当たり前のことが書いてあります。
そしてそれに続けて、例外として、すでにスタートした艇はまだスタートしていない艇に対して気象情報を伝えてはいけない、等という記述があります。
このレースは艇の大きさによって時間差をつけてスタートするのでこんな記述も必要なのかと思ったけど、それでもなんかここの文章は変ですよね。
○準備信号の前はどんな情報を仕入れても良い、
ということと、
○レース中は他艇に対して気象情報を提供してはならない
というのは別の話なので、「exept」で繋ぐのはおかしくないですかね?

そして最後に、
This amends RRS 41.
とあります。
「RRS41」は外部の援助ですね。「This」はたぶんこの文章(14.3)全体を指すと思うので、以上のことは外部の援助にあたらない、ということですね。逆にいうと、「14.3」の記述がなければ、インターネットで気象情報を入手すること自体が、外部の援助にあたると解釈される、ということか?


と、こうしてずらずら読んでみると、この文章(14.3)も結構分かりにくいですよね。

14.3の冒頭で、
「以下に挙げる気象情報だけは得て良い」
と書いてあり、後段でいろいろ説明しているのもすべて「得てもいい気象情報はどんなものか?」を説明しているわけですよね?

ということは、気象情報以外の情報を入手してはならないことになりますよね? 
いや、気象情報は以下に説明したもののみが入手可能という意味なのか? 「only」がどこにかかってくるのかが、分かりにくい。

そもそも、ロールコールをE-mailで行うということは、他艇の動向はそれを集計したホームページ等を見て把握するしかないはずで、そこんとこどうするのか?

シドニーホバートレース2010では、大会ウエブサイトの「standings pages」は閲覧して良いとわざわざ明記されてましたから。これは逆に言えば「本来はレース中に参加艇の位置情報を検索することはRRS41に違反する可能性がある」と考えられているから、ですよね?

他にも、14.3の前の方で、
routinely available throughout the year to the
general public without charge, and whose availability
is publicly indexed

 とあり、後段でも、
provided that those data are intended for public
use without charge, are routinely available for free
throughout the year, and are publicly indexed

と、似たような文章がダブっていたりと、読みにくい文章になっています。
なんだか、いろいろ問題や要望が出て、その都度書き足していったらこうなったというような文章です。
こちらも苦労しているんでしょうね。

総合すると、先に紹介した「シドニーホバート2010」では、基本的に外部の情報は極力入れないようにするという方向で。
対して、こちら「トランパック2011」では、基本は自由にという方向なのでしょうか。
と、それぞれアプローチは異なっても、外洋レースに於ける無線通信と外部の援助に関するルールを確立させていこうという姿勢が感じられますね。

   ※   ※   ※

この「レース公示」の先頭にも適用されるルールがズラズラと列挙されているわですが、その中にOffshore Racing Rule (ORR) というのが出てきます。ナニソレ?

ちょいと調べてみたら、Chicago Yacht Club、Cruising Club of America、Transpacific Yacht Clubという3つの米国のメジャーなヨットクラブが2004年にOffshore Racing Association (ORA)を結成。ここで造った外洋レースのルールらしい。

Offshore Racing Rule (ORR)

そんなのあったの、知らんかった。

トランパック2011では、安全規則はISAFのOSRカテゴリー1が適用されるようだけど、さらに加えて、ORRに外洋艇に必要な構造や装備が細かく記載されているもよう。
ここに、無線通信とそれに関わる外部の援助の問題についてなにか記載があるのかなと思ってざっと見てみたけど、無いみたい。凄く長いので目次だけざっと見ただけですけど。
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by Takatsuki_K | 2011-08-23 10:47 | ヨットレースを考える
先々週の続きです。

外洋レースでの無線通信はどのように規定したらいいのか?
シドニーホバートレース2010の帆走指示書があったので無線通信に関わる部分に目を通してみました。

海が荒れることで有名で、これまで何度か大きな遭難事故があり、それでも続けられている、オーストラリア伝統の外洋レースです。

それだけに、安全対策は万全のはず。そこには無線通信は切ってもきれません。

ここでは、安全の確保という意味で、レース中のロールコール(定時連絡)に対する記載が多く、また商業イベントとしてメディアに対するアピールという意味での通信も入っており、記載はかなり複雑なんですが、まずは、この一文、

49. RADIO RESTRICTIONS
49.1 A boat is not permitted to request, and a
boat working private schedules with other
stations is prohibited from passing
information in relation to, weather
conditions or race information, except
where requested by “JBW”, or except as
detailed in SI 40.5 or SI 49.2. No
restriction is placed on the receiving of
weather information broadcast by
Government or commercial stations nor
compliance with SI Appendix 1.


なんか難しい書き方しているけど。
A boat is not permitted to request
 は、RRSのガイドにある、
a boat shall not radio transmissions
 と同じで、requestは参加艇側から送信あるいは要求するという意味ですかね。

from passing information in relation to, weather conditions or race information,
「passing information」はごく僅かな情報。
つまり、ささいな情報から気象、レースに関する情報まで=何から何まで、って意味でしょうか。あるいは、気象やレースに関係するごく僅かな情報、という意味か?

ともあれ、ここまででかなり厳しく無線通信の使用を禁じており、これは、

49.5 These restrictions apply to any electronic
transmission medium, including HF, VHF
and mobile cellular and satellite
telephones


携帯電話や衛星電話にも適用される、と明記してあります。
transmission mediumのmediumは、情報伝達手段、媒体、って意味ですかね。transmission mediumで、通信媒体か。受信機ではなく送信もできる機器と強調したいのか。

このあたりの言い回しが、いちいちRRSと違ってますね。

そして、ここから除外されるのが、以下のもの。

JBWというのは、レースのオフィシャル無線中継船のこと。

40.5とは、

40.5 All boats shall report wind strength
and wave heights to “JBW” when
wind strength exceeds 40 knots,
unless otherwise instructed by
“JBW”.


40ノット以上吹いたら、オフィシャルの通信船に連絡せよとあります。
別にロールコールの手順も細かく記載されていますが、ロールコールのときには風向風速はレポートしなくてもいいみたい。嘘つく奴がいたのか? ならいっそ止める、と。

49.2は、報道のための通信のようです。
レース期間が長く、レース中にもテレビや新聞でレースの動向が報じられるわけで、そのために無線通信で取材を受けるということか。
これ、そこから得た情報を元にテレビやラジオで報道され、それを参加艇が聞くと、これまたヤヤコシイことになるということか、49.2であれこれ細かく書いてありますが、これはまた別の機会に。

最後に気象情報のbroadcast(放送)を受信するのはかまわないとあるのですが、それも、政府、民間、あるいは付則1に沿ったものと細かく指定しています。これまで、政府、民間以外の何かで、揉めたのかな。受信するだけなのにね。
その付則1がまたなんかごちゃごちゃ書いてあるのですが、まあいいか。

   ※     ※     ※

で、この前に、

43. SEVERE WEATHER FORECASTS
43.1 Requests for and receipt of information
regarding severe weather shall not be
classed as an infringement of RRS 41.


RRS 41はこれまで散々触れてきた外部の援助。
severe weatherは荒天。どのくらいから先がsevere weatherなのかはよく分からないのですが、この場合は無線通信で情報を求めても外部の援助にならない、ということですか。
これはあくまでも49.1の「receiving of weather information broadcast」にある気象情報放送の受信とは異なり、「Requests for and receipt of information」で無線通信の送受信と解釈していいのかな?

なんか難しいですね。

で、続けて、

43.2 The weather is obtainable from the
sources in Appendix 3 and may not be
repeated at the position reporting
schedule.


とあり、付則3に気象情報の局が列挙してありますが、どうもwebサイトではなく、放送局のようです。もしかして、聞けば答えてくれるのか?

と、ここまでは気象情報の受信、あるいは送信について、かなり細かく書かれていますが、どうやら付則3にあるもの以外、ウエブの気象情報サイトにアクセスすることは認められていないようですね。

   ※     ※     ※

そしてさらにその前に、RRSから変更される項目が列挙されているのですが、そのうちの一つにRRS41(外部の援助)があって、

35.3 Changes to RRS
RRS 41: Whilst racing a boat may retrieve data from the standings pages of the event website or from
http://rolexsydneyhobart.com/standings_lite.asp ,
even if those pages are not publicly available.


と、ここで明確に、大会ウエブサイトの「standings pages」は閲覧していいとしてあります。
この「standings pages」は順位表です。
緯度経度と残航、COG/SOGも記載されていたもよう。
レース公示の方で、主催者支給のトラッキングデバイスを積むとあるので、おそらく昨年の沖縄東海レースで用いたような発信器付きのGPSが各艇に配られ、そこから得られた情報が逐一このページに掲載されるんでしょう。

「retrieve」は「検索」なんだろうけど、こういう使い方するのかな? ウエブページから各艇のポジションを検索するという意味か。まあ、これは英語表現の問題。

そしてこれは、そのページが一般公開されていなくても、外部の援助にはあたらない、とあえて書いてありますね。「standings pages」は公開されているページなんだけど、いちいちもったいぶった書き方。

ともあれ、逆にいえば、わざわざこんな記載があるということは、ここ以外にアクセスすると、外部の援助になるということか。あるいは、帆走指示書49.1に違反するということになるのか。


と、とにかくかなり複雑に記されています。条文が前後していて分かりにくいし。
おそらく、過去いろいろ揉めて、修正に修正を重ねてこんな感じになっているんじゃないですかね?

単に、「通信は自由。それが外部の援助にあたるか否かは、自分で判断せよ。」では済まなかったってことなんじゃないですかね?
オフィシャル公表の順位表(ポジションリスト)を閲覧するだけでも外部の援助にあたるという解釈が過去に出たからこそ、わざわざ Changes to RRS として記載しているんだろうから。

さてみなさんは、どう思いますか?

レースドキュメントはここにあります。

Noticeもいくつか出ているようですが、メンドクサいので今回は見てません。何か変更はあったかも。

トランパックレースの帆走指示書があったら教えてください。読んでみます。
米豪の違いって、あるかも……。
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by Takatsuki_K | 2011-08-16 10:12 | ヨットレースを考える
8月1日からラマダン月(断食)に入ったマレーシア。
断食といっても、陽の出ている間は食べちゃいけないというものなので、早起きして朝食食べて、陽が沈んでからバカ食いするという、極めて不健康な風習で、これが1ヶ月も続くとかなり大変そう。

話に聞けば、イスラム教徒同士の連帯感というのか、試練を乗り越える喜びというのか、結構やりがいのあるものでもあるらしい。
特にKLにはイスラム教徒以外の人も大勢いて、クリスマスのショッピングセンターには大きなクリスマスツリーが飾られたりもするわけで、なおさら余計に、自分達がイスラム教徒であることを再認識し連帯を意識しあう月、ということでもあるようで。

ヨットでもあるでしょ、大きな大会前に減量して計測に挑むときのチームの連帯感。あんな感じ。
まあ、お店の店員なんかは大あくびして投げやりに注文とったりと、昼間はやる気無しって感じ、ワタシら非イスラムとしては困った1ヶ月でもあるんだけど。

そんな試練を乗り越えたラマダン開けは、ハリラヤ・プアサというお祭りになりまして、これは日本でいえば盆と正月が一緒になったような最も大きなお祭りなんだそうな。

このラマダーンというのはイスラム暦で9番目の月という意味。
イスラム暦は完全な太陰暦、つまり月の満ち欠けで1ヶ月を表す。
新月から新月までの約29.5日が1ヶ月。29日と30日の月を交互に置いてこれが12ヶ月で1年。となると1年は354日にしかならないので、太陽周期を元にした1年とは、毎年11日づつずれてしまう。

太陽周期の1年は春夏秋冬の季節を表しているわけで、1年という概念がしっかりと体感できる。そこで、太陽周期の1年とずれないように、日本や中国で用いられていた旧暦では1年が13ヶ月ある閏月をもうけるという工夫をしていたわけだけど、イスラム暦には閏月はない。
でも、実生活では太陽暦を用いているので、ラマダンのシーズンは毎年約11日づつ前倒しになっていくわけです。

マレーシアの独立記念日は、太陽暦での8月31日。
これも大きなお祭りで、派手な花火なんかで大騒ぎになるんだけど、昨年はラマダンの真っ最中に独立記念日があり、地味に終わらせたもよう。
ところが今年は、独立記念日がちょうどラマダン開けのハリラヤとぶつかってしまうわけです。さあ、大変。

毎年、独立記念日にはムルデカレースをやっていたのです。ムルデカ=独立、という意味。
KLから約80マイル北のリゾート地、パンコールまでのパッセージレースと、パンコールで2日間に渡ってのインショアレースというコッテリした内容です。

で、今年はそれがラマダン明けのハリラヤプアサと重なってしまうということでもあり、会員からは、「休暇と重なるから時期をずらした方がいいのではないか」という意見が出、しかし主催者側からは「休暇だからレースやるんだろ」と却下され。これ、イスラム教徒の参加者とそうじゃない主催者との間で「休暇」の意味が食い違っているんですね、きっと。
イスラム教徒にとっては、ハリラヤは家族揃って里帰りする、日本でいえば年末年始みたいなもんで、そこにヨットレースなんて考えらんないということのようで。
そう、あれだけヨットレースが盛んなニュージーランドでも、クリスマスにヨットレースはやらないですからね。

なんて考えると、グアムレースってすごかったんだなぁ。

で、ワタシの乗る日本人オーナーのフネもこのムルデカレースに出るべく上架整備中。作業にあたるマレー人達はラマダン中につきウダウダしていないか? やきもきしつつ、マレー人クルーも手配できずに人集めに苦労してます。

で、カミさんのヨガ仲間のセルビア人を誘っているところ。
セルビアって、どこだっけ?
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by Takatsuki_K | 2011-08-09 09:31 | ヨットレースを考える

パールレース 2011

先週末は恒例のパールレースでした。
冷たく湿ったオホーツク海の高気圧と暖かく湿った太平洋高気圧に挟まれて、停滞前線が新潟から福島方面にかけて日本列島を袈裟斬りに。
移動性の低気圧なら予報もしやすいのでしょうが、2つの高気圧の押し合いへしあいで予報は難しくなります。各天気予報もバラバラ。で、時間経過と共にコロコロ変わり、バ~ラバラのコ~ロコロ。コ~ロコロのバ~ラバラ。で、もうレース艇にとってはくじ引き大会ということになったのか?

だいたいこの距離ならワッチは組まない。風があれば全員デッキに出ており、上りだったら完全にハイクアウト。風が落ちたら中に入り、いや、どんなに暑くても「ダウンビロー」で中に入らされる。けど、寝ていい。ま、寝る場所は指定されるけど。

風があればハイペースでレースは終了するし、時間がかかるとすれば微風ということだから、ある程度寝ることもできる。
……と、こううまくできているワケですが。

今回はどうだったんだろう? 時間はかかったけど、やたらセールチェンジで、休みも無かったんじゃなかろうか。

お疲れ様でした。

出場していないワタシとしては、インターネットのwebサイト「GPV気象予報」がどんだけ当たっているかを検証したかったんだけど。
当たっているか否かを調べるのが、難しいですね。

途中の画像(29日に出ていた30日の夜中03時の予想風向と風速)を取っておいたんですけど、こんな感じで、三河湾から吹き出す風と、相模湾方面から吹き出してくる風で、遠州灘は大混乱ということですか。
f0171353_98311.jpg

確かにこのあたり、特に夜はワケ分からなくなってますよね。
どうですか? レース参加艇のみなさま。
こんな感じだった?

土曜日の相模湾はこう。
f0171353_992386.jpg

これはけっこう分かるな。こんな時ありそう。時間の経過で風向風速が変化しているのか、場所的な違いなのか、海の上にいると分かりにくいですけど。

で、夜の相模湾。
f0171353_910209.jpg

皆さん、のたうち回っていた頃か。いや、スイスイ走っていたのかな?
本当にこんな具合になっていたのか?

で、このてのインターネット気象予報サイト。今はwebを漁ればいっぱい見つかりますよね。
どこが一番信頼できるのか? なんて知識や、艇上からいかにしてアクセスするかなんて技術や装備も、レースの勝敗には大きく関わってくるはず。

いや、そもそも、レース中、艇上からこのてのサイトにアクセスしていいのか? が毎年謎なんで、そろそろここんとこをハッキリさせた方がいいと思うんですね。
もちろん、良い悪いはそれぞれのレース主催者が勝手に決めればいいことなんですが、それを公示や帆走指示書にどう記載するか。
これ、JSAFで指針を出したらどうでしょう?

当ブログでは、以下のようにだいぶ議論は進んでおります。
外部の援助
外部の援助 じゃ、どーすればいいのか?
外部の援助 安全の為ならOK?
……等と、↑ここらでいろいろ書きましたが、改めてまとめると……。


そもそもこれは、RRS(セーリング競技規則)でいうところの「外部の援助」の問題です。

RRS 規則41 外部の援助
艇は、以下を除き、外部からの援助を受けてはならない。
(a) 病気の、または負傷している乗員に対する援助。
(b) 衝突後、離れる為に相手艇の乗員から受ける援助。
(c) すべての艇が自由に得られる情報形態としての援助。
(b)  同じレースに参加している他艇など、利害のない情報源からの、求めてもいないのに与えられた情報。


灯台の灯りなんていうのも、まあ、外部の援助なんだけど、この規則41(c)によって明確に許されている。GPSで位置を知る、なんてのもそうですよね。ラジオ放送の天気予報を聞くなんてのもそう。
携帯電話の177で天気予報を聞く、なんてのも、この規則41(c)でオッケーなんじゃなかろうか。

ところが、レース公示や帆走指示書に、
27 無線通信
緊急の場合を除き、艇は、レース中無線送信も、すべての艇が利用できない無線通信の受信もしてはならない。またこの制限は、携帯電話にも適用する。

なんて記載があれば、話は別。レース中に携帯電話で177の天気予報を聞くのは違反ということになります。

上記の記述は、RRSの「レース公示ガイド」「帆走指示書ガイド」にあるもので、いわば国際標準。

海外では国際VHFのチャンネルを1つ独占し、24時間繰り返しでちょうど日本の177天気予報みたいな放送を流していることが多く、それで最低限の天気予報はこと足りちゃっているんだと思うんですよね。国際VHFは「すべての艇が利用できる無線通信の受信」だから上記の規定で問題なし。

ところが我が国では国際VHFはやっと普及しだしたところで、気象通報もやってはいますが定時配信。ラジオの天気予報も同様。
やっぱり177が聞きたくなるわけで……。

では、日本ではそのあたりを勘案して、最後の、
 またこの制限は、携帯電話にも適用する
を削除したらどうか? 

いやいや、携帯電話で177に電話するというのは「送信」しているということになるから、その時点でダメなわけです。

じゃあどうするか?

インショアレースは、上記、帆走指示書ガイドのママでいいとして、オフショアレースでは、別途ロールコールなどの通信要領があるはずで、それに並べて「通信が許される範囲」を明確に示せばいいと思うんです。

現在、通信手段や情報ソースは多様化しており、「禁止事項」を列挙するのは難しいです。想定外の通信方法や情報ソースがあるはずなので。

ならば「入手してもいい情報」を列挙する方が簡単確実なはず。

そもそも、RRSは改定に改定を重ねて完成度は高く、軽い気持ちでこれをいじると他の部分にも影響してきて面倒なことになる。
よって、RRSの記載やガイドはなるべくそのままにし、別途認めるもののみを記載する。

どこまで認めるかは、それぞれのレース主催者が決めればいいことで、たとえばここで、

27 無線通信
以下を除いて、艇は、レース中無線送信も、すべての艇が利用できない無線通信の受信もしてはならない。またこの制限は、携帯電話にも適用する。
 (a) 緊急の場合
 (b) レース委員会が求めるロールコール
 (c) 177の天気予報

 (以下、列挙)

等と、得ても良い情報源だけを列挙する。
一部のインターネットアクセスも認めるならここに、
 (d) 公式ホームページにリンクされたサイトの一次リンク
などと記載したらどうでしょう?

公式ホームページには、いくつか気象予報サイト等を挙げ、さらにエントリーを済ませた艇からのリクエストも受け付け、リクエストされたwebサイトを可とするか否とするかは主催者側で協議し、承認するならそれも公式ホームページのリストに加え、レース参加全艇でその情報を共有する。

と、これでスッキリすると思うんですけど。

「一次リンク」という表現はちと曖昧なのかもしれませんが、インターネットへのアクセスを認める上では、あるていどの曖昧な部分はいたしかたないかと。曖昧なのが嫌なら、インターネットアクセスは禁止したほうがスッキリすると思いますが。

レース主催者にとっては、「どこまで許すか」で競技の方向性も決められることになり、それはそれでやりがいのある作業になると思います。

一切ダメ、としてもいいし、逆に、「陸上部隊から指示を出してもいい」というルールにしたって面白いのかも。
自転車のロードレースなんかも集団が前後に長く散らばり、選手側からは全体が見渡せず。しかしチームレースなので、全体の状況や作戦は監督が帯同するチームカーから無線で指示を出したりします。
いやこれも、禁止にするか否かで議論があるみたいですけど。

競技のルールというのは、そうやって迷いながらより面白くなるように工夫していくもので、それが主催者側の楽しみであるはずで。議論し、工夫し、試すなど、試行錯誤の過程を楽しみながら、そのイベントの形を創っていけばいいのですが、

今ここでワタシが言いたいのは、
何が良くて何がダメなのか、参加艇側が「レース公示」や「帆走指示書」を読むだけで明確に理解できるような記載にしてほしい
ということです。

何が良くて何がダメなのか、主催者側でもハッキリ決めていないから、ハッキリしない記載になっているんじゃないでしょうか。
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by Takatsuki_K | 2011-08-02 09:30 | ヨットレースを考える