まあ、イマドキwebサイト程度で驚くこともないんだけど。
ここでちょいと過去を振り返って、JSAFはなんでディンギーとクルーザーに分かれているのか? というところに話を戻してみると。
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ご承知のように、ディンギーの日本ヨット協会(JYA)とクルーザーの日本外洋帆走協会(NORC)が統合しJSAFになったのが1999年4月1日。
当時、ワタシはNORCの会員だったのですが、単に会費支払わないとレースに出られないからという理由で入会していたわけで。
自治体に住民税を支払う、みたいな感じ。
NORCってなんなのか、深く考えていませんでした。
今回改めてJSAFのホームページにある年表を見ていたら、1964年にNippon Ocean Racing Clubが社団法人日本外洋帆走協会に改組され、同時にディンギーの方も財団法人日本ヨット協会として再設立されております。
なんで「Ocean Racing Club」が日本語にすると「外洋帆走協会」になるのか、不思議ではあったのですが。これ、運輸省から「レーシング・クラブなんてチャラチャラしたお遊び同好会みたいな名称では所管できない」って言われたんじゃないんですかね? 公益性が感じられる硬い名称にしなさい、と指導されて「外洋帆走協会」にしたんじゃなかろうか、と。これ、想像ですけど。年表見ててふと思った。
元々はヨットクラブ的な部分も多く持つ団体だったのが、それ以降、協会として役所のような活動をする団体になったのかも。
いや、これも想像ですけど。
ヨットクラブとヨット協会では存在意義がだいぶ異なると思うのですが、そもそも欧米的なヨットクラブ文化というものが無かった日本ではその違いが良く分からず、大きな問題にもならず。そのまま来てしまったのかもしれませんね。
でもどこかでヨットクラブ的な部分も引きずっており、一般会員からは分かりにくい存在になってしまっていたのかと、今にしては思います。
そして1999年に日本ヨット協会と統合して日本セーリング連盟となり、これはまさしくヨットクラブではなく協会(というか連盟)なわけです。
とはいえ、だから余計に、NORCはヨットクラブなのか外洋ヨット協会だったのかで、統合の仕方は大きく違ってくるはずなんですね。
中にはNORCはヨットクラブだと思って活動していた方もいたわけで、統合話は複雑になってしまうんだろうな、と想像します。
※ ※
統合時のJYA副会長である米沢一さんとNORC副会長古川保夫さん、お二人の会談記事が面白いです。
「日本のヨット界、その新たな出発を迎えて」
この中で、JYAの米沢副会長は、
「そこで大切なことは、これまでの組織にとらわれない考え方をすることです。 つまりディンギー、クルーザーという枠組みではなく、セーリングをともに楽しむ「クラブ」という概念です。(中略)各都道府県内すべてのクラブを統合する組織体が、47都道府県の地域連盟であるという考え方なわけです。 」
と、述べられています。
「クラブ」と称されていますが、いわゆるヨットクラブのことでしょうね。個々のヨットクラブが中心となり、日本中の数多のヨットクラブを統合する組織体がJSAFであるということですね。
分かりやすい。
NORCの古川副会長も、この発言を受けて、
「統合の一番の目的はここにあります。(中略) 世界の競技規則を見てもほとんどがクラブ単位でものを考えているし、 現実にはすでにそのように機能している地域のヨットクラブだって日本にもあります。」
とおっしゃっています。
ヨットクラブを中心としたセーリング界という構想が、統合時にすでに立てられていたわけです。
そして12年が経ちました。
実情はどうなのか?
活発に活動するヨットクラブがいくつも出現し、JSAFにも加盟してレースを主催し……と、この対談で交わされた構想が実現しつつあります。
とはいえ、この原稿を書いている時点で、JSAFに加盟するヨットクラブは16団体。JSAF非加盟のヨットクラブはまだまだありますし、クルーザーでの活動が主体のヨットクラブが多いようで、ディンギーとクルーザーを繋ぐ架け橋になるのはこれからということか。
そのタイミングで、外洋艇推進グループのwebサイトができたわけです。
その名も『on Breeze』
レースを主催するのはJSAFではなくJSAFに加盟するヨットクラブなどの団体で、となると、JSAFは何をすればいいのか。
レース主催団体間の繋がりを広げ、広域なイベントを行うためのお手伝いができないものか。
……と、いうことで、かくいうワタシもお手伝いすることになりました。
で、ここで宣伝をと思って。
明日、2月1日から正式スタートです。
『on Breeze』