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ヨットの事を考える評議会


by Takatsuki_K
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ヨットクラブとはどういう組織なのか

ヨットクラブは数あれど、まずは、従業員がいるクラブといないクラブに大別できるかと。

従業員がいないクラブでは、事務手続きからレース運営まで、すべて会員自身がボランティアで行うことになります。
JSAF外洋支部なんかはこれですね。だから、問い合わせにしても「迷惑だから電話はしないでくれ」とか言われちゃうわけで。
こっちは金払ってるのになによ、まったくもう。……等とイライラするわけですが、ヨットクラブ専用の事務所があるわけでもなく、ボランティアで役員を務める人の仕事場や自宅にいちいち電話がかかってきたんじゃ、そりゃ迷惑というもの。

方や、従業員がいるヨットクラブなら、事務所もあるのが普通。たいていはクラブハウスの一角に事務所があり、ここに平日も従業員が詰めており、集金や発送業務も行っているわけ。

両者の違いは大きいですね。

で、今ワタシが所属するロイヤル・セランゴール・ヨットクラブには、広い事務所があり、専属の従業員が詰めています。女性が2~3人と事務局長のオッサンが1人。
週末ほど人がいっぱいくるわけで、かといって平日も休業日はないわけで、いったいいつ休んでいるのか?
と聞くと、
「休みは無い」
と、この事務局長はいつもジョークがキツくて、ホントのところはよくわかりません。当然交代で休んでいるんだとはおもいますが。


さらに、ヨットクラブで専用の泊地(マリーナ)を持っているか否かでも分けられそうです。
欧米でも、艇の係留とヨットクラブは別のところが多いと思いますが、たとえば、ニュージーランドにアメリカズカップがあった当時、ルイビトンカップの運営を行っていたバックランズビーチ・ヨットクラブは立派なマリーナが併設されていました。

もちろん、その泊地を利用していない人でも、会員になることは可能ですが、ヨットクラブにとって係留料は大きな収益になると思われます。

RSYCでは泊地も自前で経営しています。まあ、泊地といっても河口に面してクラブハウスがあるので、河のあちこちに長い浮き桟橋を浮かべてそこに係留するというスタイル。はっきりいってダサイですが、基本的にこのクラブの目的は係留した自艇でのんびり過ごすというものではなく、ヨットレースと釣り。ということで、泊地はどーでもいいみたい。
会員の中にはランカウイに艇を置いている人も多いようです。そういう人は、こちらではソーシャルイベントを楽しむという感じですか。
ちょっと離れたところに新しいマリーナができたので、近々そちらに引っ越す可能性もあるみたいですが。

で、スロープもあって、クラブハウスの裏手には上架保管もできます。プラトーなんかは、全艇上架して保管してあります。
これら係留や上下架に関わる費用もヨットクラブの収入になるようですが、となると当然ながらそこには人手も必要なので、ヨットクラブの常勤スタッフは40名もいるそうな。
そして、別経営になっているようですが、クラブハウスの飲食系には20名のスタッフがいるということで、全部で約60人。
こうして見ていくと、彼らは日本でいえばマリーナのスタッフということになるわけですが、RSYCではヨットクラブでマリーナを経営しているということになりますね。
でも、マリーナの社長というのはいない。
ヨットクラブのコモドアが最高責任者であり、その下に様々な委員会があってヨットクラブのメンバーがその委員に納まり意志決定をし、マリーナを経営しているいうことですかね。
マリーナ経営会社があって、その客である係留艇のオーナーが親睦のためにヨットクラブを造る、というのとは大きく異なるということですね。

マリーナを持っていないヨットクラブも、欧米ではだいたいそんな形式になっているんじゃないでしょうか。
つまり、ヨットクラブという商売をしている。
株式会社になっているヨットクラブも多いようです。
別の言い方をすれば、ヨットクラブの会員は株主で、株主総会で社長(コモドア)を決めて会社経営にあたってもらう。ヨットクラブの事務局長は、ヨットクラブに雇われ社長(コモドア)の命を帯びて業務を遂行する。
……といってもいいのかも。

従って、レース運営はすべてヨットクラブのスタッフが行います。どんなレースを行うかはヨットクラブの委員会で決定し、年間スケジュールを決める。決めた後は、委員会のメンバーもレースに出る側。……ということです。

財政状況については追ってレポートしたいと思いますが、係留費といっても27ft艇で月額2700円とかいってたから激安だし、会費収入だっておそらく月300万円程度だと思うのですが。マレーシアでは人件費が安く、おそらく地代無料なんじゃなかろうかと思います、ロイヤル・ヨットクラブだから。
で、こういうクラブ運営が可能なんだろうと思われます。
by Takatsuki_K | 2010-09-07 17:30 | ヨットクラブを考える