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ヨットの事を考える評議会


by Takatsuki_K
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VOR 〈テレフォニカ〉ケープタウン、フィニッシュ

VOR、第1レグは、〈テレフォニカ〉が危なげなくトップフィニッシュ。〈カンペール〉も約16時間の遅れで2位フィニッシュ。
風が落ちてしまったようで、〈グルッパマ〉はだいぶ離されてしまったもよう。まあ、ポイントは同じなんですけど。

マストを折った〈プーマ〉は、ナントカ島まではたどり着いたものの、迎えの貨物船は今日やっとケープタウンを出たようです。
ケープタウンから島まで4日かかるというから、そこでヨットを積み込んで、ケープタウンに戻るのが12月7日か8日。うーむ、ギリギリ。
燃料さえ足りれば、あのまま機走で走り続けても、同じくらいにはケープタウンに着いていたかも。

一方、〈サンヤ〉もヨットを積んだ貨物船の方がまだケープタウンに着かないようで、こっちの方がヨットが着いてからの作業は多いと思うので、さぞやヤキモキしていることでありましょう。

……と、VORに目がいっているうちに、こちらマレーシアではWMRTの最終戦、モンスーンカップが行われ、英国のイアン・ウイリアムスがWMRTチャンピオンに返り咲きました。

今回、決勝までコマを進めたジョニー・バートソンという人は39才のスウェーデン人。医療関係のITプロジェクトマネージャーをしつつプロセーラーとしても活動しているとのことで、同様に仕事を持っている日本のプロセーラーの励みにもなろうかと思われます。

ま、新星といっても、WMRTには2005年から出ており、
2005/06 11th overall
2006/07 34th overall
2008 10th Overall
2009 13th Overall
2010 13th Overall
ということなので、地道に活動続けていたということですね。
新星じゃなくて、遅咲きという感じか。

一方、その前週、11月12日~20日まで、サンディエゴでは、ACワールドシリーズの第3戦が行われていたようで、オラクルのジェームズ・スピットヒルが優勝。

と、マッチレースとしては、どうしてもこっちの方に目がいってしまいがちで、WMRTの位置づけはどう考えたらいいのか。
というか、ワタシ、両方ともほとんで見てなかったのですが。
なんか……なんでだろ。

とりあえず、ACWSでは、エミレーツ・チームニュージーランドがサンディエゴでは3位となり、ここまでの総合ではトップをキープしておりますが、このチームニュージーランドというのも、ちょっと目を離していたらどういうカラーのチームなのかよく分からなくなってきました。
エミレーツって、アラブ首長国連邦の航空会社ですよね。
いや、このアラブ首長国連邦というのがこれまたよく分からないんだけど。

首都はアブダビ。で、アブダビ首長国というのがあって、エミレーツがあるのは、ドバイ首長国のドバイ。
そして、今回VORに出ているのは、〈アブダビ・オーシャンレーシsング〉。第2レグのフィニッシュがアブダビ。
その他、シャルージャ首長国、フジャイラ首長国など全部で7つの首長国からなる連邦政府を有するということか。
うーむ、ヤヤコシイ。どうもあの辺りは謎が多い。

とりあえず、こうしてヨットレースをスポンサードすることで、知名度アップというのは、なかなか良いアイデアかも。


話はずれた。
チームニュージーランドの話です。

スポンサーはドバイの航空会社。VORの方はこれにスペインのスポーツメーカーであるカンペール(Camper)がついて、スキッパーはオーストラリア人のクリス・ニコルソン。
チーム名に「ニュージーランド」と入ってないと、いったいどこの国のチームか分からない。
でも、強烈なニュージーランドの主張。
そう、その、ニュージーランド国としての主張はどこにあるのか?

というところで〈カンペール〉のメンバーを詳しく見てみましょう。

スキッパーは、
Chris Nicholson 豪  41才
2001-02 Amer Sports One
2005-06 movistar
2008-09 Puma Ocean Racing
〈Amer Sports One〉というのは、よく覚えていないんだけど、グラント・ダルトンがスキッパーをして、ニュージーランド国籍で出場していたもよう。
姉妹艇〈Amer Sports Too〉の方は、米英フラッグで女子チーム。
スポンサーのAmer Sportsというのは米国企業のようです。日本法人はアメアと読ませるんだそうな。Wilson、SALOMON、ATOMIC等、様々な有名ブランドを扱っていてアメアという社名自体はあまり馴染みが無くて当然なのか。ヨット界ではスント(Suunto)が知られてますね。
まあ、企業の方にも国籍ってあんまり無い時代といってもいいのでしょうか。

この年は、ジョン・コステキの〈イルブルック〉が優勝。こちら〈アメアスポーツ・ワン〉は総合3位。
なんか、この年のVORはあまり記憶に無いですね。すいません。


さて、今回の〈カンペール〉では、チームの中核となるのがこの人、

Stuart Bannatyne NZ  39才
1993-94 New Zealand Endeavour
1997-98 Silk Cut
2001-02 illbruck
2005-06 movistar
2008-09 Ericsson 4
前回は、よくトーベン・グラエルとツーショットの写真が出てました。アクの強い顔立ちなんで、ブラジル人かと思ってたらニュージーランド人だったんですね。
経歴からすると、この人がスキッパーでも良さそうなものなのに。その方が、正統派チームニュージーランドというイメージになりそうだし。
スキッパーというのは、何か別の素養が必要ということなのか。


さらに、ニュージーランド人ということなら、この人。

Tony Rae NZ 49才
1985-86 Lion New Zealand
1989-90 Steinlager II
1993-94 New Zealand Endeavour
1997-98 Innovation Kvaerner
こちらもベテランですね。同名の米国人もいるので混乱しがちですが。米国のトニー・レイは奥さんニュージーランド人だし。

ベテランがもう一人。

Rob Salthouse NZ 45才
2001-02 Tyco
2008-09 Puma Ocean Racing
ソルティーと言った方が通りはいいか。VOR歴は2回だけですが、かなり有名なセーラー。

前にも書きましたが、現在〈サンヤ〉の修繕部隊としてニュージーランドから来ているソルトハウス造船所とは親戚筋。どういう親戚だかしらないけど。
この人は、どちらからというと、ブラックマジック派閥ではなかったハズなんだけど。なんかもう、そういう派閥は消滅しているのか?

以下、若手として、

Andrew McLean NZL 31才
2008-09 Green Dragon
若手とはいえ、チームニュージーランドとしてルイビトンカップにも出場。サザンスパーにもいて、エンジニア、あるいはソフトウエアも扱えるもよう。
2003年のジャパンカップでは、〈G-NET〉バウマンとして乗っていたんですと。2003年のJCというと江ノ島ですね。

Daryl Wislang NZL 29才
2008-09 Telefonica Blue
チームの公式HPでは3回目のVORと書いてあり、〈モビスター〉のバウマンとしてインポートレースだけ出ていたもよう。
セールメーカーでもあり、32回のACではドイツチームのセール・マネジメントを担当。

このあたりがNZ若手勢。加えて、

Adam Minoprio NZL 25才
この人は初のVORですが、2009年のWMRT チャンピオンにして、2010年のニュージーランド、セイラーオブザイヤー。
なんだかこういうのがあるから、どうも今年のWMRTは自分の中では霞んじゃって。すいません。

と、こうして若手に経験の場を与えていく辺り、ニュージーランドヨット界の育成システムは改めてすごいです。


Michael Pammenter RSA 南ア 27才
2008-09 Telefonica Black
前回は最年少でVOR出場したという。
経済学部を卒業しており、プロセーラーとは書いていないので、まあ、そういう立場か。
バウマン/ボートキャプテン

南アフリカ人というのは、どうもワタシらの想像を超えた存在のようで、何人か会いましたけど、イギリス生まれで南アにはほとんど行ったことが無い、なんて人もいるくらい。

アラブ首長国連邦と並ぶ、不思議の国です。

そして、大物、非NZ人がこちら、

Roberto Bermudez (Chuny) ESP
1993-94 Galicia '93 Pescanova
2001-02 Assa Abloy
2005-06 Brasil 1
2008-09 Delta Lloyd
〈デルタロイド〉ではスキッパーを務め、アメリカズカップも2度。あるいはアテネ五輪ではスペイン代表と、こちらもワッチキャプテンにしてもいいくらいの大物。というか、スキッパーでもいいのか。

さらにこちら、

Will Oxley AUS
2005-06 ING Real Estate/Brunel
HPには3回目のVORと書いてあるけど、記録ではこれ1回。
というかこの方、お父さんと2人乗りで、メルボルン~大阪レースに出ていましたよね。
親子でメルボルン~大阪と聞くと、ホノボノクルージングセーラーというイメージを抱いてしまうんだけど、本格的な気象学者のようで、長距離レース経験はかなり抱負のもよう。
加えて、前回は〈プーマ〉のショアチームとして気象解析を行っていたそうです。

こうしてみると、要職を非ニュージーランド人で押さえてあるという感じなので、チーム名に「ニュージーランド」と入れないと、単に「ニュージーランド人の助っ人を多数乗せたチーム」という感じになってしまうのか?
いや、バックにはグラント・ダルトンが控えているということなので、やっぱりこれはチームニュージーランド。ですね。

どのチームも、その国籍がちと曖昧なので、ここはやはり乗艇メンバー一人一人のパーソナリティーが重要かなぁと思い、改めて一人一人調べてみたわけですが、なかなか面白いですよね。

ワタシも歳をとりまして、今回のフリートの中では知っている人がほとんどいないもんで。

で、調べてはみたものの、見分けはつかない。
VOR 〈テレフォニカ〉ケープタウン、フィニッシュ_f0171353_13511391.jpg

こちら、今回の〈プーマ〉のメンバー(Amory Ross/PUMA Ocean Racing/Volvo Ocean Race)

みんな同じような顔でしょ。特に、中列の4人。あ、赤シャツと下段左も。
これで帽子とサングラスされたら、誰が誰だか分からないよなぁ。
by Takatsuki_K | 2011-11-29 13:52 | ボルボ・オーシャンレース